世界的に「オルタナティブ投資」が注目され存在感が高まる中、その潮流はここ日本にも波及しつつある。「リテール領域においてもオルタナティブ投資の機会を拡大し、皆さんに新たな価値を提供していきたい」。そう語るのは、SAMURAI証券を中核とするSAMURAI FINANCIAL HOLDINGSを率いる山口慶一氏だ。同社が未開拓のフィールドを突き進む、その理由とは――。
山口慶一(やまぐち・けいいち)
山口慶一(やまぐち・けいいち)
大学在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ入所。その後、きずな綜合会計事務所創業、Nexus Bank(旧JASDAQ上場)社長を経て、MBOによりSAMURAI FINANCIAL HOLDINGS創業、代表取締役社長としてフィンテック事業を展開。公認会計士・税理士。

私たちSAMURAI FINANCIAL HOLDINGSのビジネスのモチベーションは、金融業界で「多様な想いと資本を結集し、未踏の価値を切り拓く」ことにあります。当社が存在しなければ新たな市場が確立されることはなく、このスピード感でなければ決して実現しなかった、そのような先駆者だからこそ生み出せる「価値」を提供したい――では、具体的に何を成し遂げたいのか。それが「オルタナティブ投資の民主化」であり、オルタナティブ投資業界をけん引するナンバーワン・オンライン・プラットフォームの実現です。

株や債券といった伝統的資産以外、例えば貸付債権や不動産から、面白いところではワインやウイスキー、アートに至るまで、オルタナティブ投資は基本的にはどのようなものでも対象と捉えることが可能です。海外ではすでに多くの成功事例があり、オルタナティブ投資の市場規模は年々拡大しています。一方で国内に目を向けると、まさにこれから関心が高まり、普及していく段階を迎えている状況です。

株式市場では日々、さまざまな銘柄が売買されています。例えばリーマン・ショックのような金融業界全体を揺るがす出来事が勃発すればマーケット全体が落ち込み、どのような銘柄であっても下落の憂き目を見るでしょう。対してオルタナティブ投資にはマーケットそのものがありません。投資対象の価値が個別に変動することはありますが、基本的にマーケットの日々の値動きとは相関関係がないのです。金融クライシスへの対応策という意味でもマーケットのある金融商品に100%の資金を投じるのではなく、一定程度の比率でマーケットの外にあるオルタナティブ投資に振り向けてポートフォリオを組むことは理にかなっています。実際に米・ハーバード大学やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの機関投資家も積極的なオルタナティブ投資を行っています。

グローバルな視点で選定自ら「商品をつくる」

なぜオルタナティブ投資は、もっと一般的に広がらないのでしょうか。長らく参入障壁となってきたのが「ロットの大きさ」です。オルタナティブ投資の中でも、価値が安定している商品への投資単価は優に億単位に上り、一部の機関投資家や超富裕層だけのものだと考えられてきました。そのためリテール層が実践するチャンスはなかなか巡ってこなかったのです。

しかし、米国をはじめとするフィンテック・カンパニーが台頭し、オルタナティブ資産の小口化によって多数の投資家がオルタナティブ投資にアクセスできる、そんなプラットフォームが注目を集めるようになりました。世界の潮流は日本のリテール層にも波及するでしょう。当社は国内のトッププレーヤーとしてオンライン・プラットフォームを進化させ、真の意味での「オルタナティブ投資の民主化」をけん引していきたいと考えています。

ミスリードにならないよう申し上げておきますが、オルタナティブ投資の民主化とは、単に海外の投資商品をセレクトして個人のお客さまに販売するという意味ではありません。私たちの大きな強みは「オルタナティブ投資商品そのものをつくっている」ことです。主に海外の金融機関や事業会社と直接やり取りをして貸し付けを行い、その貸付債権を証券化して販売しています。これらの投資商品は私たちのオンライン・プラットフォームでなければ買えません。短期的なメリットではなく5年後、10年後にどんな成長が期待できるのか、日々商品組成のために感覚を研ぎ澄ませるよう努めています。当社自身が資金を投下しているからこそ得られるノウハウ、貴重なデータの蓄積が、いわば目利きの精度向上を支えています。

想定しやすいリターン計画的な人生に貢献

当社が提供するのは年利4%~8%程度の「ミドルリスク・ミドルリターン」の商品です。すでに株式や投資信託で投資を始めている方々が「さらに何をしたらいいのか?」と迷ったときに、重要な選択肢の一つとなり得るのがオルタナティブ投資だと考えています。例えば、当社が注力するオルタナティブ資産の一つである「貸付債権」は、いわゆる伝統的資産と比較すれば流動性は低いのですが、その代わり利回りが高く、契約で定めた運用期間にて想定したリターンを得やすい点が特長です。運用期間やリターンがあらかじめ決まっているため、お客さまからは「買い物や旅行などの計画も立てやすい」「ライフプランに合わせて堅実に投資できる」といったお声を頂いています。

オルタナティブ投資の1万円単位での小口化という「民主化」を進めてきた一方で、資産形成を通して人生に伴走し、パーソナライズされたソリューションをご提供する「プレミアムバンキング」サービスもスタートさせました。より多くの優良なオルタナティブ資産にアクセスしていただき、一人一人の豊かな未来を共創していく――それこそが、私たちの願いです。

SAMURAI FINANCIAL HOLDINGS
2021年、Nexus Bank代表取締役社長であった山口慶一がSAMURAI FINANCIAL HOLDINGSを設立、Nexus BankよりSAMURAI証券(02年設立、17年SAMURAI証券へ商号変更)、SAMURAI ASSET FINANCEをMBOして独立。