「カジュアル面談」が必要とされる2つの理由
なぜ従来の「面接」ではなく「カジュアル面談」が不可欠なのか。その背景には、主に以下の2つの大きな理由がある。
1.転職市場の「情報戦」における優位性の確保
転職市場では、企業も求職者も情報収集が肝。求職者は、企業のウェブサイト、SNS、口コミサイトなど、あらゆるチャネルで「働くリアル」を探っている。企業側が一方的に選考する「面接」の場だけでは、求職者の知りたい情報、特に企業文化やチームの雰囲気、仕事の具体的な進め方といった、入社後のイメージに直結する情報を十分に提供できない。
カジュアル面談は、企業が「自社の魅力を主体的に伝え、求職者からの質問にフランクに応じる場」。これにより、求職者が抱える不安を払拭し、企業のポジティブな側面を深く理解してもらうことで、選考への意欲を高めることができる。面接に進む前に、求職者に自社への興味と期待を持ってもらうための「動機付け」のプロセスとして機能するわけだ。
2.「潜在層」の掘り起こしと関係構築
次に重要なのが、「潜在的な候補者」との接点を持つという側面だ。面接は、基本的に「今すぐ転職したい」という顕在層、つまり「転職活動中」の人を対象としている。しかし、優秀な人材の多くは現職で活躍しており、「良い話があれば聞きたい」という程度の「転職潜在層」にとどまっていることが多々ある。
こうした潜在層は、「面接」「選考」という形式にいきなり飛びつくこともないし、履歴書や職務経歴書を作成する手間をかけてまで……と考えている人も多い。カジュアル面談は「選考ではない、情報交換の場」と位置付けることで、この潜在層との接触を容易にすることができる。面談を通じて、長期的な関係性を構築し、将来的な転職のタイミングで自社を一番最初に思い出してもらうための「種まき」の役割を果たすのだ。これは、数年後の採用成功に繋がる、極めて戦略的な投資といっていいだろう。
カジュアル面談の成功を阻む「2つの壁」
実際に現場で質の高い面談を実現するのは簡単ではない。壁の1つ目は、面談担当者による「目的とゴールのブレ」だ。「カジュアル」という言葉の響きから、「雑談でよい」「好きなように話して」と、担当者に一任してしまうケースもある。カジュアル面談は、情報交換の場ではあるが、そのゴールは「求職者が自社に興味を持ち、次のステップ(選考)に進むための障壁を取り除くこと」である。
そのためには、すべての担当者が「面談で必ず伝えるべき核となる情報(会社のビジョン、ミッション、具体的な事業内容)」と「面談の終了時に求職者に抱いてほしい印象(この会社はおもしろそう、自分に合っていそうなど)」を統一し、事前に共有しておくべきだ。トークスクリプトまでいくと堅苦しくなってしまうが、面談の「型」を定める必要はあるだろう。
2つ目の壁が「選考要素ゼロ」を徹底する難しさだ。担当者からすれば「せっかく新たな人材に会えたのだから、スキルや経歴を少しでも見たい」という誘惑に駆られるが、これこそカジュアル面談が「面接のお試し版」になってしまう原因だ。
求職者は、カジュアル面談を「選考ではない」と思って参加している。そこで経歴を深掘りしたり、具体的な成果を問い詰めたりするような「評価・審査」の質問をすると、求職者は企業への不信感を抱くこともある。優秀な人材ほど、情報の非対称性を敏感に感じ取るものだ。そのため、あくまで「企業側からの情報提供と、求職者側の質問への応答」に注意を向けるべきだ。経歴を聞く場合も「求職者の興味・関心の方向性」を理解するための質問にとどめ、評価的な視点を排除したい。
カジュアル面談は、単なる採用手法の一つではなく、「未来の優秀な人材と対話する最初のタッチポイント」である。それを「戦略的投資」へと昇華させるため、「カジュアル面談・成功チェックリスト」を用意した。このチェックリストを活用し、担当者全員が質の高い面談を行えるよう、ぜひ活用してほしい。
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