どんな環境でも、時刻を正しく伝えることを旨とする
おそらく世界で最も有名な腕時計ブランドであるから、そのネームバリューに引かれて手にする者が後を絶たないのは致し方ないことである。しかしながら、その本質を深く知れば知るほど所有する喜びを実感できるのがロレックスの醍醐味と言っていい。パンデミックを発端とする近年の過剰な人気ぶりはさておき、時計の関係者やプロたちから長きにわたって称賛を集め続けているのは、ロレックスが機械式腕時計の実用性と永続性を徹底的に突き詰めるブランドであるからだ。
そうした姿勢はとりわけウォッチメーキングにおいて顕著である。以下にまとめたのはロレックスの時計製造の根幹を成す七つの要素。一見して分かるとおり、デザインや外観に関するファクターは一つとしてなく、全てが機械式腕時計の基本性能に直結するものとなっている。

20世紀初頭に防水性能を備えたオイスターケースや自動巻メカニズムで機械式腕時計を進化させたことはつとに知られるところだが、現代においてはその開発精神は主にムーブメントへ注がれている。機械式腕時計の精度の要となるヘアスプリング(ひげぜんまい)をはじめ、ぜんまいから放たれた動力の伝達効率を左右するエスケープメント(脱進機)、時計の耐衝撃性を高めるショック・アブソーバなど、時計の性能向上のためならパーツ一つにまで目を向けて粛々と研究・開発に取り組む。“時刻を正しく表示する”という基本性能の底上げこそが時計メーカーの本分だとすれば、ロレックスほどそれに真摯に向き合うブランドはない。時計の関係者やプロたちからも称賛されるゆえんである。
世界各国でスイス本社と同水準のサービスが受けられる
こうした時計製造が主にロレックスの実用性に寄与するものだとすれば、もう一方の永続性を象徴するものがアフターサービスである。
機械式腕時計を長く使うにはメンテナンスが欠かせない。外装とムーブメントの分解・洗浄を行い、新品に近い状態に戻すオーバーホールも不可欠だ。このオーバーホールは5年に1度程度を推奨するメーカーが多いが、ロレックスはここも改善し、現行品は「10年以内に1度」を推奨する。とはいえ性能を維持するにはやはりメンテナンスはマスト。機械式腕時計は購入後からメーカーとの本当の付き合いが始まるのである。
ロレックスでオーバーホールを終えた時計に付帯するロレックス サービスカード。2年間の国際保証が付き、スマートフォンにカードをかざすと時計の情報にアクセス可能(非対応機種あり)。
まずはロレックスのアフターサービスの流れを見ておこう。アフターサービスの依頼はロレックスの正規品販売店が主な窓口となる。そこで預けた時計は日本ロレックスのサービスセンターに運ばれ、時計技術者によって状態が点検された上で、修理の内容や費用に関する見積もりが送られてくる。例外を除けばここまでで約1週間。見積もりに了承したら修理が開始される。時計のモデルや状態、部品の在庫状況などにより異なるが、それから約1カ月で納品となる。
肝心のサービス内容については、簡潔に言えば「世界共通であること」がユーザーにとっての最大のメリットである。これが意味するのは、設備、部品、情報、そして技術者に至るまで、スイス本社とほぼ同水準のアフターサービスが、日本を含む世界各国で受けられるということだ。
機械式腕時計メーカーの中には、各リージョンには最低限のアフターサービス体制しか設けないところも多い。技術的難度が高い修理は本国送りとなり、数カ月も待たされるケースもある。その点、ロレックスではアフターサービスで使用する機器や工具、ムーブメントに関する最新情報などはスイス本社から供給され、時計部品に関しては日本国内に数千種以上をストックする。人材面でも本社と連携して定期的にトレーニングを実施しており、一部の歴史的モデルを除けばほぼ全ての製品を日本国内でメンテナンスできるという。これほどの体制を整えているブランドは極めてまれである。
ロレックスだからこそ残せる記憶や思い入れがある
腕時計に限らず、メンテナンスは面倒でつい先延ばしにしてしまいがちである。不具合が生じるまで使い続ける人も少なくないだろう。
だが、ちょっと思い浮かべてみてほしい。気に入りの車を丁寧にメンテナンスしながら乗り続けることの愉しさを、思い入れのある家具を修理を繰り返しながら使い続けることの心地よさを、そしてそれらを後世に残していくことの貴さを。機械式腕時計を丁寧にケアしながら使い続けることは、それらと同様に価値をつなぐ行為となる。人生を共にでき、その価値を未来につなげる体制がロレックスには整っている。
正規品販売店なら全国どこでもサービスが受けられる
ロレックスの腕時計のアフターサービスは「ロレックス ブティック レキシア 銀座本店」をはじめ、全国55店舗(2025年9月現在)の正規品販売店で受け付けている。転勤や移住した後も万全のサービスが受けられる。アフターサービス受付店の店舗検索はこちらから。
「高水準」「世界共通」がロレックスの真骨頂。永続的な価値は定期的なケアから生まれる
世界共通で行われるロレックスのメンテナンス作業から
機械式ムーブメントの等時性を司るのがテンプというコンポーネント。リング状のテンワが規則正しく振幅することで一定の時間間隔を生み出す。ロレックスの大半のムーブメントは、このテンワの内側にマイクロステラナットというねじ状の部品が備わっており、これを締めたり緩めたりすることで精度の微調整を行う。ムーブメントを組み上げ、ケーシング(ムーブメントをケースに収める作業)を行った後に時計技術者の手で行われる。
精度をはじめとする性能検査はロレックス独自の機器、手法で24時間以上かけて行う。
ケーシング作業。時分針や秒針の取り付けは1本ずつ全て手作業で行われる。
ユーザーの要望に応じてケースやブレスレットの磨きも行う。回転する旋盤にパーツを押し当て、職人の感覚を頼りに磨いていく。光沢のあるポリッシュ仕上げと筋目入りのサテン仕上げを組み合わせているものは、特殊なマスキングテープを使用しながら行う。
ロレックスのオイスターコレクションの腕時計は全て100m以上の防水性能を有する。防水検査はケースのみとケーシングを終えた状態で2度、実際に時計を水中に入れ、圧力をかけて行う。