管理栄養士「納豆さえ食べていれば大丈夫」
「野菜の話は、よく相談を受けるテーマなんです。子どもが野菜を食べないことで、自分を追い詰めてしまう親御さんも少なくないです。自分の調理方法や、食べさせ方が悪いんじゃないかと悩んでしまうんですね。でも、以前出演したNHK・Eテレの『すくすく子育て』で、管理栄養士の太田百合子さんが『野菜が嫌いでも、納豆さえ食べていれば大丈夫。食物繊維が豊富な食品ですから』と語られたら、スタジオがホッと明るくなったんですよ。納豆でも大丈夫なんだって。Kくん、納豆はどうですか?」
納豆はまったく食べない。何度か勧めたのだが、3年間の人生で、たぶん一度も口を付けた経験がないはずだ。匂いが気になるのだろうか。「それは残念」と宮里先生は肩を落とした。ここから聞き取り調査の様相を呈してきた。
「では、白米は」
――食べます。
「お肉は主に何を」
――昨日は焼き鳥を食べていました。豚肉も牛肉もなんでも食べます。肉以外で好きなのが、エビフライとウナギです。
「ウナギですか。珍しいですね。トウモロコシは?」
――食べません。
「じゃ、ブロッコリー」
――も、ぜんぜん食べないですね。
「頑固ですね」
3歳は“苦手な食べ物”がでてくる時期
再び肩を落とす宮里先生に私は、説明した。Kは、便秘気味なので、野菜でなくてもいいので、なんとか食物繊維を摂ってほしい。苦肉の策で、味噌汁や煮物に糸こんを入れている。Kは糸こんを「メンメン」「チュルチュル」と言ってよく食べる。そのため、週に2、3回は強引に献立に入れるようにしているのだ。
あとは、歯ごたえが気に入ったのか、最近、エリンギとレンコンを比較的口にする。宮里先生は、大きくうなずくと「素晴らしい」と私が照れるほど褒めてくれた。
「納豆がダメなら糸こんがある。エリンギでも、レンコンでもいいじゃないですか」
確かにそうだ。私はKに緑黄色野菜を食べさせなくては、と思い込んで視野が狭くなっていたのかもしれない。
「Kくんは、付け合わせのタマネギなんかは食べませんか?」と宮里先生は続ける。
――2歳頃まではよく食べていたんですけど、3歳くらいになってほとんど食べなくなってしまって……。
「それは3歳児あるあるなんですよ。2、3歳くらいから子どもの味覚や嗅覚が発達して、その過程で苦手な物が出てくるということは珍しくありません。ただ、それも成長とともに徐々に和らいできます。『いつかは食べられるようになる』と思って、深刻に受け止めないことが大切です」



