「ブランコ問題」が出る理由

中学受験の理科入試の定番に、ブランコ問題がある。ブランコを題材にした振り子の問題だ。ブランコを使った振り子の問題はいろいろな切り口があるが、よく出題されるのは、「ブランコを漕ぐときに、どうやったら漕ぎ幅を大きくできるか」というもの。ブランコで遊んだことがある子なら、簡単にイメージできると思うが、ブランコは立って漕ぐのと座って漕ぐのとではスピードが変わる。

これは振り子の長さが立つことによって短くなるからだ。一番高いところではふわっと浮いて止まった感覚があり、一番低いところではスピードが速く感じる。あの「感覚」を知っているかがとても大きい。

社会なら、どれだけ日々の暮らしが自分事になっているかが重要になる。例えばスーパーに買い物に行ったとき、ただ親の後をついていくのと、いろいろなことにアンテナを張れる子とでは大きな差を生む。野菜コーナーに行けば、旬の食材を感じられるし、この食材がどこで作られ、どこから運ばれて来たかが分かる。こうしたことを子どもだけで感じ取るのは難しいので、ここは親の声かけが必要になるだろう。

スーパーで買い物をする女性
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理科や社会は「毎日の生活」が大切

このように理科や社会は、学校や塾の勉強以前に、毎日の生活そのものが大切になってくる。理科入試でブランコ問題が多く出題されるのも、社会入試で世の中のさまざまな問題が扱われるのも、「あなたはこれまでどんな生活を送ってきましたか?」「どんなことを経験し、どんなことに興味関心を持ち、どんなことを考えましたか?」と、生活履歴を問うているともいえる。

国語と算数に比べて、理科と社会は配点が小さい学校が多く、知識の丸暗記で乗り越えられると思われがちだ。そのため、多くの親は、これらの学習に時間をかけず、「ちゃんと覚えておきなさい」と言っておしまいになりやすい。

しかし、昨今の入試で求められるのは、知識そのものではなく、「なぜそうなのか?」といった原因や因果関係だ。こうしたことに意識を向けるために欠かせないのが興味関心、つまり好奇心だ。それを育んでいくのに家庭の力、すなわち親の関わりが重要なのだ。理科・社会こそ、親がしっかり向き合ってあげてほしい。