ノースキル私文には「厳しい時代」に
もっとも、銀行の存在意義は単なるコンサルへの転換にとどまらない。銀行には、コンサルにはない「資金を供給できる主体」としての力がある。融資や決済インフラを直接担い、与信判断やリスク管理を通じて経済を動かすことができるのは銀行だけだ。また、リテール分野では顧客の預金・保険・ローンを総合的に扱い、人生や事業の転機に資金面から伴走できる。つまり、銀行員は「助言者」であると同時に「資金提供者」としての重みを持ち続けるのである。
こうした構造変化は、就活生や社会人にとっての絶大な影響を及ぼす。新卒で手堅くメガバンクに就職し、リテール営業実績で勝負するのが最適解である時代は終焉を迎えた。これは手に職を持った人材のキャリア採用拡大を意味する。専門性と即戦力を兼ね備えた人材は銀行内で厚遇されやすく、さらに証券・保険・運用・フィンテック・IFAといった銀行外の金融業界にもキャリアの選択肢は広がっている。
一方で、具体的なスキルに乏しい新卒採用は狭き門となってしまった。銀行はもはや「凡庸でも這い上がれる場所」ではない。ノースキルMARCH文系卒では難関企業への就職は難しい時代が、すぐそこまで迫っているのかもしれない。

