24時間365日、家庭では「英語のみ」の生活をスタート
英語ができれば世界が広がると認識していたのは、夫の和久さんも同じだという。2人は長男のたつやさんが生まれたとき、家庭内では英語のみで話す「英語子育て」をすると決めた。
まゆみさんも0歳からの英語教育の重要性は認識していたが、まさか24時間365日、英語で子供と喋る生活になるとは思いもよらなかったそう。
「自分で勉強を頑張って英語力を高めた夫は『もっと小さい頃から英語をスタートしていれば』と大人になるにつれ感じたことから、子供は生まれたときから英語で育てると決めていたようで。夫の熱意を受け入れる形でスタートしました。といっても、夫も私も英語教師ですが、0歳児にどんな声がけをしたらいいのかわからない。夫が買ってきたアルクの書籍『起きてから寝るまで子育て英語表現1000』を読んで、声がけの参考にしました」
例えば、たつやさんが泣いてぐずれば「Are you hungry?(おなかがすいたの?)」とか「Is it hot?(暑いの?)」と声をかけるという、たわいもないものだったが、話しかけるときはすべて英語に変換していき、耳を慣れさせていった。
たつやさんが初めて喋った言葉は「Mom(ママ)」だったそう。
「親が英語しか話していないので、子供が英語を話すのは当然だと思っていました。『英語を喋った!』ではなく『言葉を喋った!』とほかの家庭と同じように感激したように思います」
たつやさんが保育園に行くようになると、園の先生とは日本語で話す“バイリンガル”生活がスタートすることになった。
「アメリカの大学院でバイリンガルを学んだときに、“一人一言語の法則”を教わりました。例えば、母親が英語なら英語だけで話す、ドイツ語ならドイツ語のみ……と、1人が一つの言語のみで喋ると、周囲にほかの言語を話す人がいようと、子供は混乱しにくいそうです。たつやの場合、夫と私は英語のみ、そのほか頻繁に会う祖父母や園の先生・友達は日本語で話していたので『そういうものなのだろう』と思い、過ごしていたようです」
病院の待合室などで、まゆみさんがたつやさんに英語で喋りかけていると、奇異な目で見られることもあり、くじけそうになることもあったとか。それでも濱田夫妻は、“英語のみの子育て”を貫き通した。
日本でも有名なアメリカの子供向け番組「セサミストリート」を親子で一緒に見たり、アルファベットを覚えるパズルをしたり、英語のカードゲーム(単語を覚えるカルタのようなもの)をしたり……。たつやさんがうまくやれるたび、まゆみさんは「Genius!(天才!)」や「You're great!(すごいね!)」と、褒め言葉も惜しみなくかけた。
さらに夜は、寝る前のベッドタイムストーリーとして和久さんが英語でおとぎ話を聞かせたり、絵本の読み聞かせをしたりしていたそうだ。
「夫は、朝と、夜帰宅してからしか子供に英語のシャワーを浴びせられないので、できるだけ多く会話しよう!と思っていたようで、お風呂の時間や寝る前などはフルに活用していました。ただ、いろいろなベッドタイムストーリーを子供たちに英語で聞かせていたことは、最近夫に聞いて初めて知りました(笑)」


