上質世界を“否定”したら大暴れされた
上質世界は、写真を張りつけたアルバムと考えればわかりやすいでしょう。写真はあなたが大切にしているものを表します。この写真は時間によって貼り替えられます。
先ほどの私の例で説明すれば、高校生時代はフォークサークル、結婚当初は夫、子どもが生まれてからは子どもという順番で写真が上質世界に大きく貼り替えられます。なお、このアルバムには写真が1枚でなく複数貼られている場合もあります。
さて、ここで質問です。皆さんの子どもの上質世界には何が貼ってあると思いますか。多くの不登校の保護者の答えは「ゲーム」です。私の息子が不登校だったときは、SNSとアニメでした。
私はこれがどうしても受け入れられずに、家のWi-Fiルーターを隠してSNSができないようにしました。すると息子は大暴れしてふすまを破り、照明器具を壊しました。私は息子の上質世界を否定してしまったのです。もし私が高校時代に熱中していたフォークギターを親から取り上げられていたら同じようにしていたでしょう。当時はそうともわからずに浅はかな行動を取ってしまいました。
“わが子の興味”を把握し、一緒にやってみる
何が言いたいのかというと、皆さんには子どもの上質世界を認めて受け入れてもらいたいのです。そうすると、子どもの心の扉は驚くほど開きます。
実際、私が息子のSNSとアニメを受け入れると、息子の態度は変わり、親子関係は修復できました。高校でも生徒の上質世界への共感を心がけていくと、反抗的な態度を取る生徒は激減しました。問題児だとされていた生徒が心を開いてくれて、「学校で1番好きな先生」と言ってくれたことは忘れられない体験です。
子どもの上質世界を知るには、興味を持っているものをしっかり観察する必要があります。お子さんが何も話してくれないときは、探偵になったつもりで探してみましょう。どんなゲームが好きなのか、どんな漫画を読んでいるか、持ち物や部屋に飾ってあるモノがヒントになることはおわかりいただけるでしょう。
子どもの上質世界がわかったら次に何をすべきか。それは親子で一緒にやってみることです。食わず嫌いという言葉がありますが、実際に一緒にやってみると意外と楽しさがわかることが多いのです。


