取り入れている大学・学部はどれくらいありますか?

多数のコンテストや検定を利用している入試として、慶應義塾大学の総合型選抜があげられます。とりわけ他大に先駆けていち早くAO入試を導入した、同大の湘南藤沢キャンパス(SFC)にある総合政策学部と環境情報学部では、文系・理系合わせて20以上のコンテストと検定を対象としていて、その内容(所定の成績)によって1次の書類選考が免除されます。ただし、志望理由などの書類提出は他の受験生と同じく求められます。

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で使えるコンテスト

私立ではほかに、早稲田大学先進理工学部、明治大学農学部、中央大学文学部・理工学部、立教大学文学部、法政大学国際文化学部などもコンテストや検定を採用しています。いずれも偏差値の高い人気大学・学部であり、進学先として十分に検討に値すると言えるでしょう。

国公立大でも、東京大学、京都大学、筑波大学、東北大学、一橋大学、横浜市立大学、東京都立大学が取り入れています。理系学部が多く、その中には医学部も含まれています。ちなみに、筑波大医学群で採用されているコンテストは「高校生・高専生科学技術チャレンジ」など、京大医学部の場合は国際科学オリンピックなどです。

【図表】筑波大学で使えるコンテスト

文理融合の分野では一橋大の商学部、社会学部、ソーシャル・データサイエンス学部が、ITスキルの国家資格や商業簿記、統計学に関する検定を入試の判断材料としています。

大学が主催するコンテスト

小学生の親が今からできることはありますか?

総合型選抜は付け焼き刃の対策が通用しにくい入試です。小手先の対策では、仮に1次を通過できても面接試験で見破られてしまいます。

では、親御さんはどのように子供に接すればいいのか。

多くの合格者を見ていて痛感するのは、幼い頃からの興味・関心に基づいた活動の積み重ねが、将来の大きな武器になるということです。重要なのは、子供の「好き」という気持ちを尊重し、さまざまな活動にチャレンジさせること。そして、その活動のプロセスを記録に残しておくことです。写真や動画を撮っておく、作品やリポートを保管しておく、活動記録はルーズリーフではなくノートにつける(時系列がわかり、改ざんしにくいため信頼性が高い)、子供自身の言葉で「何に成功し、何に失敗したか」「何を学び、どう成長したか」といった総括を定期的に書き残させる。これらの記録は、将来ポートフォリオを作成する際の貴重な「エビデンス(証拠)」となり、面接で自身の言葉で語るための土台にもなります。

小学生・中学生が参加できるコンテストもたくさんあります。親御さんがその存在を子供に知らせて、探究への好奇心を刺激するといいのではないでしょうか。

小中学生が参加できるコンテスト

大切なのはコンテストに出ることではなく、子供が自らの興味・関心を探究し、試行錯誤する経験そのもの。そのプロセスを親子で楽しみながら記録に残していくことが、わが子の大学入試への最良の準備となるでしょう。

総合型選抜などで提出するコンテストの結果・成果は、多くの場合、「高校時代」のものという条件がありますが、小学生・中学生時代に参加したコンテストを活用する方法もあります。横浜市立大の総合型選抜には、提出する書類に高校時代のコンテスト挑戦だけでなく、それ以前の取り組みを、年月を含めて記載できるものもあります。小学生で「石ころ」→中学生で「化石」→高校生で「石油(物質)」といった興味の変遷を記すことで、その生徒らしさを表現できるでしょう。

コンテスト活用で合格した先輩

※本稿は、『プレジデントFamily2025夏号』の一部を再編集したものです。