「あなたを幸せにする4つの魔法の言葉」というものがある。近年、心理学の世界でも注目を集めているもので、4つの言葉を心を込めて用いることで他人に感謝する心が自然と芽生え、対人関係におけるストレスが減少し、夫婦関係や家庭生活、職場での人間関係が潤滑になるというのだ。さらには物事の捉え方や認識の仕方にも変化が生まれ、ポジティブな発想で前向きな人生を送ることにつながるという。

まるで万能特効薬的な効用がうたわれている4つの魔法の言葉は、いたってシンプルだ。「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」。明治学院大学で学長特別補佐を務める井上孝代教育心理学博士が、こう解説する。

「これは『ホ・オポノポノ』と呼ばれるハワイで古くから行われてきた和解の方法に由来する言葉です」

仮に、少年が友人宅で財布を盗んだとする。すると双方の少年とその保護者はもちろん、学校の先生や地区の長老、教会の牧師などが集まって、財布を盗んだ少年や家庭にどんな問題があったのか、盗まれた側に問題はなかったかなど各自が自問自答し話し合う。いろんな人を理解し、和解しながら生きることで、自分も周りも幸せになれるという考えだ。

「最近は特に『セルフ・ホ・オポノポノ』が評価されています。つまり自分の心に4つの言葉を常に持つ。日本人は『許してください』や『愛しています』という言葉を口にしづらいかもしれません。特に夫婦喧嘩などで興奮しているときにはなおさらでしょう。でも喧嘩相手に許しを請うのではなく、もっと大いなる存在(とでもいうべきもの)に問いかけてはいかがでしょう。欧米では多くの場合、神であるかもしれませんが、信仰がなければ、例えば“本当の自分”に語りかけてもいいのです」

今の自分の姿が、本当に自ら望んだものかと自問すれば、自分や事態を客観的にみるもう一人の自分がいることに気づく。すると感謝の言葉だけでなく「ごめんなさい」も「許してください」も口にしやすくなる。まさに自分との対話だ。

夫婦喧嘩で、つい大きな声を張り上げた経験はないだろうか。興奮しないで落ち着いてと言われると、「俺は興奮していないっ!」とキレたりする。そういう人におすすめの方法がある。感情温度計だ。井上博士が言う。

「心の中に、マイ感情温度計を持ってください。怒りが生じるとその目盛りがグングン上がっていく。いま私の目盛りはここまで上がっていると意識することができれば、すでにその時点でクールダウンの必要性に気づいたことになる。そこで空を見て一呼吸するとか、1分だけでも席を立つとかとりあえずワンクッション置けばいい。そしてその後に4つの魔法の言葉を唱えれば、相手の気持ちも慮(おもんぱか)る心の余裕が生まれるでしょう」

“心の癒やしや洗浄”ともいわれている「ホ・オポノポノ」の4つの言葉。心の片隅にそっと置いてみよう。