雇用の安定性を求めるなら医療系の資格。セカンドキャリアを目指すなら福祉系の資格。男性なら工事などの現場系の資格が有望だ。

介護や保育士もニーズ高まる

超難関の医師や弁護士を除くと一生お金に困らない資格を手にするのは難しい。雇用の安定性という側面から見ると、最も有望なのは医療系の資格だ。その多くは国家資格であり「業務独占資格」や「名称独占資格」とされている。資格がなければ従事できないことが多いため大変有利である。

いま、医療の現場は、高齢化とともにリハビリテーションにかかわる仕事が増えてきている。これに携わる仕事で有望な資格は、理学療法士、作業療法士、そして言語聴覚士の3つである。

実は私の娘も言語聴覚士の資格を持っている。ある女子大の文学部に入学したが、勉強に打ち込むことができず、就職も不安であると悩んでいた。親としては専門的な技術を身につけたほうがよいのではないかと、医療系の専門職の資格取得を勧めた。結果、娘は大学を2年で中退し、医療系専門学校に入学して、猛勉強の末、言語聴覚士の資格を取得したのだ。その後、資格を生かして、無事病院に就職することができた。

言語聴覚士は、言語機能、摂食・嚥下機能、聴覚などに障害がある人に、言語訓練などを指導し、言葉のリハビリをする国家資格である。女性なら、結婚後の働き方も選択できる。正規職員でなくとも、時給の高いパートタイムという形で仕事を持つことが可能だからだ。

医療系では王道といえるのが看護師である。30代半ばの女性会社員がいったん退職して看護学校に入学、看護師を目指すというケースも珍しくない。看護師は慢性的な人手不足なので、資格を取得していれば、専門性の高い職種なだけに食いっぱぐれはない。

また、育児支援が叫ばれる中、保育士の需要も高まっている。いまやチェーン展開するような民間の保育所も増えていて、保育業界の雇用機会は広がっている。保育士は国家資格で、大学、短大、専門学校などの専門学部やコースで学んで習得するか、国家試験受験合格で取得できる。国家試験受験資格は一般大学でも2年生になれば(一定の要件あり)受験可能だ。ただ、医療系と比べると総じて年収が低いという弱点もある。