ホストやキャバクラなど、夜の世界では色仕掛けを使った営業のことを「イロコイ」と言うそうです。こういった手法は疑似恋愛的な意味合いが強いからこそ通用すると思われがちですが、実は、疑似恋愛をウリにした夜の世界とは無関係である職場でも使えるテクニックなのです。いわゆる「枕営業」と呼ばれる肉体による直接的なアプローチではなく、性的なニュアンスを含ませた営業テクニックがあります。

例えば、女性から「あなたとしたい」と言われたら……男性なら、まず間違いなくドキドキしてしまいます。ドキドキしているときには、心のガードがゆるんで、いろいろなことを受け容れやすくなっています。さらに、仕事というセクシーさとは無関係の場で、一方的に相手に対して性的なイメージを持っていると、相手に軽い罪悪感・後ろめたさを感じて「悟られたくない」と怯んでしまうもの。そのため、相手の押しに弱くなりやすいのです。これは相手を混乱させて隙をつくる・その隙に入り込むテクニックと言えます。

価格や商品にそれほど違いがないのであれば、契約の決め手は、「セールスマンに対する印象」になったりもします。それが性的な魅力であっても、そうではなくても、相手にとって「好ましいと感じられる」ということは、営業するうえで大切なことです。

ただし、これはあくまでも「ふんわり」イメージさせることが大切です。「もしかしたら一晩付き合ってくれるかも?」と思われるほど直接的なイメージを与えるのは、周囲から見てもNGですし、相手によっては嫌悪感を与えてしまうものです。実践する本人も対応に困ってしまうでしょう。会社や本人のイメージのためにも、相手に拒絶されないためにも、「ふんわり」したイメージを与えることが重要なのです。