悲観一色だった日本株が元気を取り戻している。株式投資を再開しようか、と考えている読者も多いだろう。

現在の株価水準はいわば“民主党ディスカウント”がやっとなくなった状態だ(1月中旬時点)。株式市場を妻、政府を夫に例えよう。民主党政権時、妻は夫にかまってもらえず、お金ももらえずに惨めな暮らしを続けていた。そこに前夫である自民党が戻ってきて「これからは君を大切にするよ。お金もいっぱい使ってあげるよ」と約束した。そこで妻はやっと元気を取り戻した、といったところだ。

ただし、“自民党プレミアム”は、まだついていない。

2008年9月のリーマンショックの前、日経平均は1万2000円を上回っていた。そこから約60%の7000円近くまで暴落し、最近まで1万円以下の水準で低迷を続けていた。この間、「日本は競争力を失った」「財政も最悪」といった悲観論が広がっていたが、国力が半分に下がったわけではない。

日経平均が1万~1万1000円という現在の株価水準は、ディスカウントもプレミアムもなく、ちょうどスタートラインに立った状態だ。今後は自民党の口約束がきちんと実行されるか否かが問題になる。とはいえ、今回の上昇時に実際に日本株を買った投資家は一部にすぎず、国内外の年金資金といった投資家の本格参入はこれからだ。日本株がここから下がるリスクは少なく、上昇余地のほうが大きいといえるだろう。

では、どんな銘柄を選べばいいか。ここは、個別銘柄の実力で選別したい。

リーマンショックの影響で企業の業績が大きく下がったのは09年3月期。業績がこれを上回っているか否かが第一のポイントになる。全般に好業績だった08年3月期を上回っていればもっといい。つまり、リーマンショックのツメ跡から立ち直っているかどうかが重要だ。