ヤンゴンのシンボルであり、ミャンマーを代表する寺院「ジュエダゴン・パゴダ」。

ミャンマーは、2013年には首都ネピドーでのASEANオリンピック開催、2014年にはASEAN議長国就任というイベントを控えている。現在、国家の最優先課題とされているのが、ネピドーのインフラ開発関連事業。日本のゼネコンや開発メーカーへの営業ライセンスも、このネピドー開発を優先することを前提に許可されている状態だ。

具体的な進出事例を見てみよう。たとえば、13年ぶりにミャンマーへ再進出を果たす清水建設をはじめ大手ゼネコンは、ネピドーのインフラ整備事業に絡む形での進出を実現している。その他、課題である発電事業には、千代田化工建設や東洋エンジニアリングが、受注、ミャンマー電力公社からユワマ火力発電所のオーバーホールを古くからミャンマーに基盤を持つ丸紅が受注した。住友商事も、火力発電所の改修事業を手掛けることになっている。また、ヤンゴン市内の交通インフラの再構築は、日本の国土交通省から人材を派遣する形で支援を行う。

ミャンマーのインフラ整備事業に、今後関わることになる日本企業を挙げればきりがない。かつて日本も、戦後の新国家建設において、インフラ整備を国家の最重要課題にしていた。資金と人材を優先的に投じ、高度経済成長を成し遂げたモデルを、ミャンマーは踏襲することになる。

ここで重要なのは、日本国内で長く続くデフレによって疲弊し、活力を失った建設業をはじめとする日本企業が続々とミャンマーに進出しているということだ。