カリスマ同時通訳・関谷英里子の学習法

プレミア・リンクス社長 
関谷英里子氏

英語が不得意だからと、背を向けている人を見ると、私はいつも「もったいないな」と思います。ほとんどのビジネスパーソンは、最低でも中学、高校の6年間は英語を勉強してきたはずです。しかも、例えば仮定法のような高度な文法まで習っているのですから、実際は、みなさんそれなりの“英語資産”を持っていると思って間違いありません。

しかしながら、英語を不得意と感じるのは、勉強したことが“成果”につながっていないからでしょう。英語の知識はあったとしても、それを使って相手を理解したり、自分の意思を伝えたりする訓練を今までしてきていないのです。

英語の世界では、満面の笑顔や力強い握手、大げさなくらいの相槌などを心がけるだけで、会話はスムーズに進みます。逆に、それらがちゃんとできていれば、多少怪しい英語でも、意思疎通はできるのです。ところが日本人の多くの人はそういうことを教わってきていないので、特に正しい文法で正確に発音することにこだわる。だから言葉が出なくなり、「英語は苦手」と思い込んでしまうのです。

欧米人が日本人と英語で話す際には、相手もこちらを「英語が母国語でない人」と認識しているので、たとえ流暢に話せなくてもあまり気にはされません。

国際舞台でもインド人やシンガポール人は、かなり癖がある英語のアクセントでも、臆することなく堂々と話しているではありませんか。この点は日本人も見習ってもいいところではないでしょうか。

また、ビジネスで必要にかられて英語を使う場合は、事前に言いたいことを準備しておくことで対処できます。

特に仕事で使う単語は限られている場合が多いので、自分で単語帳を作って覚えておくといいでしょう。また、海外とeメールでのやりとりが多ければ、定型文を作成して、保存しておくと便利です。外国人と頻繁に会う必要がある人なら、英語の自己紹介文を丸暗記しておくのもいいアイデアです。