2013年1月18日(金)

敵をつくる人、つくらない人は、どこが違うか

職場の摩訶不思議10篇

PRESIDENT 2012年6月4日号

著者
石田 淳 いしだ・じゅん
ウィルPMインターナショナル代表、行動科学マネジメント研究所所長

石田 淳日本の行動科学マネジメントの第一人者。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものにアレンジし、「行動科学マネジメント」として確立。主著に『教える技術』。

行動科学マネジメント研究所所長 石田 淳 構成=村上 敬
1
nextpage

とくに攻撃的な性格ではないのに、なぜかまわりから反感を買いやすい人がいます。敵をつくりやすい人は、周囲から信頼を得ていないのでしょう。たとえば部下から信頼を得ていれば、きつい言葉で叱っても相手はしっかり受け止めてくれます。しかし、近くを歩いているおじさんにいきなり同じことを指摘されたら、たとえ正論でもカチンときます。発言内容は関係ありません。敵をつくるかどうかは、信頼関係しだいです。

まわりから信頼される条件はいくつかありますが、なかでも大切なのは、相手を褒める気配りでしょう。そういうと、褒め慣れていない人は心理的な負担を感じるようです。しかし、大げさに褒める必要はありません。褒めることの本質は、相手を認めてあげることです。「すごいな」と大きなアクションで驚いたりする必要はなく、相手の肩をポンと叩いて「頑張ってるね」と一言添えるだけで、信頼感が醸成されていきます。

自慢話をする人も要注意。嫌われる上司は、部下を激励しているつもりが、いつのまにか「俺はこんなに仕事ができる」「自分の若いときはもっと頑張っていた」と自慢話にシフトしてしまう傾向がある。こういう人は部下に反感を持たれて職場で孤立しがちです。

生命保険のトップセールスには、この手のタイプが少なくありません。もともと一匹狼でチームマネジメントを苦手としている人が多いのですが、成功体験が豊富なので、つい自慢話をしてまわりから顰蹙を買うのです。

ただ、知り合いのトップセールスの中には、マネジャーとして成功した人もいました。その理由を尋ねると、ある人は「いつも失敗談を話していた」と答えてくれた。これは重要なヒントです。失敗談は相手の共感を呼び、親密感を増す効果があります。仕事以外のプライベートを明かしていくのもいい。いずれにしても同じ目線で話すことが大事です。

PickUp