バチを当てるのは神仏ではなく人間

神仏というと、この世を支配する絶対者のようなイメージをお持ちかもしれませんが、日本の伝統宗教では、神仏の正体は自分自身の奥底にある何かです。

潜在意識の奥底にある自分自身のことで、これを昔の宗教人は神性とか仏性と表現したわけです。

八木龍平『愛される人はなぜ神社に行くのか?』(講談社)

だからたまに「神様(仏様)ってバチを当てるんですか?」と問う人もいますが、バチを当てるのは人間です。人間が人間にバチを当てるだけ。あなたや他の人が、誰かにバチを当てる気なら、バチが当たります。もし、人間が罰したのではなく、神罰・仏罰が当たったように見えることがあるとしたら、それはただの偶然です。

自然災害も、自然が人間のように主体的な意思を持つわけではありません。あくまで自然の流れで変化が生じただけで、当たり前ですが、そこに悪意や罰したい意思はありません。ただ、人間が勝手に「これは神のご意思ぞ!」と妄想するだけです。

同じように、人間のご縁も、自然の流れで生じたり消えたりします。

祈るときは、素直な気持ちをそのまま伝える

ただ人間の場合、自然の流れに任せたくない気持ちも強い。できれば自分の思い通り・欲望通りにコントロールしたい意欲があるわけです。だからこそ松下幸之助氏は、「素直でありたい」と、毎日毎日祈り、反省し続けたわけですね。

それくらい、素直でいることは困難です。

困難だからこそ、神社仏閣に参拝する意義もあります。

神社仏閣参拝は、人が素直でいられることをサポートします。自分の潜在意識の奥底にある神性や仏性と向き合う貴重な機会です。

有名な社寺に参拝することを「観光」といいますが、観光の語源は「光を観る」。その光とは、あなたの中にある神性・仏性です。

何も考えず、それでいて集中していると、素直があらわれてきます。神仏に祈るときは、あなたの素直な気持ちを、ぜひそのままお伝えください。もし参道で明らかになった本心と、門・鳥居の前で決めた相談内容に、違いやズレがある場合は、参道の本心の方をお伝えされてください。

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