「お願い文」にすれば自分の承認欲求を自覚できる

「お願い文」に書き直してみる

漠然と思っていることから承認欲求を見つけるもう一つの方法は、今から相手に伝えようとしている言葉を心の中で丁寧な「お願い文」に書き直してみる方法です。

「あなたもあの人がムカつくと思うなら一緒に悪口を言いませんか?」
「私は、あの人にムカついていますが、あなたもムカつくなら詳細を教えてくれませんか?」
「私が、あの人にムカつく理由を聞いてくれませんか?」
「私は、あの人の意地悪についての分析が優れているので興味があるなら聞きませんか?」
「私は、あの人にムカついたのであなたに愚痴を言ってストレス解消をしたいのですが、聞いてくれませんか?」

もし、このように「お願い文」に変換することができれば、相手に何かしら承認を求めているということになり、相手に伝えたかったことは自分の承認欲求だったのだと気づくことができます。

自分の承認欲求を自覚できるようになると、「自分は間違っていない」「他人を批判することで自分を肯定したい」「悪口で興味を惹きつけたい」というような自己中心のマインドに気づけるかもしれません。

ここまで自分の承認欲求を理解できるようになれば大きな進歩です。すると「ああ、私は愚痴を言いたかっただけだ。でも他人を巻き込むのはやめよう」という考えになるかもしれません。

また、もしどうしても愚痴を言いたいとわかった場合は「3分愚痴を聞いてもらってもいい?」と素直にお願いするのもいいでしょう。相手の気持ちや状況などを考えながらコミュニケーションを行えるようになります。

吹き出しを持つ人の手
写真=iStock.com/simarik
※写真はイメージです

「自分との対話」で自分を客観視できるようになる

セルフトーク

私どものレッスンでは、皆さんにセルフトークを実践していただいています。自分と自分で対話を行うことで、自分が何を考えているのか、何を思っているのかを掘り下げていく手法です。

このセルフトークによって、自分が発言したことについて、「本当にそう思っているのだろうか?」と自問していきます。すると、最初は「そう思ったからそう言ったに決まっている」と自信満々だったのが、徐々に「あれ? 本当は違うことを考えていたかもしれない」と自分のことを客観視できるようになっていきます。

「誰のために?」「何のために?」「どうしたいの?」「今?」「絶対に?」「相手は望んでる?」などなるべく短い質問で自分に問いかけます。たとえば「あの人なんかムカつかない?」という話をしたくなった場合で、考えてみましょう。

「話したい理由は?」「誰のために?」「自分のため?」「相手のため?」「あの人のため?」などと問いかけているうちに、答えが見えてくるのではないでしょうか。