小児科受診時の3つのおすすめポイント

最後に小児科を受診する際に知っておくとよいポイントを3つにまとめました。

1.なるべく早い時間帯に受診する

仕事があると日中のお子さんの様子を把握するタイミングが遅れがちです。とはいえ、夕方遅くの受診は、医療機関によっては十分な検査ができないケースもあります。ぐったりしていたり水分が摂れなかったり等なければ、病院の受診のタイミングは、できるだけご家族の都合ではなく子どもの症状にあわせて行っていただければと思います。

2.家庭や学校・保育施設の感染状況を伝える

家族にカゼなどの症状があったり、通っている保育園や幼稚園、学校ではやっている感染症があったりするときは、診察時にお伝えください。診断し治療方針を立てる上で大きな助けになります。

3.熱型表はおすすめです! 症状や体温は時系列で

赤ちゃんの様子を伝えるときは、体温や症状を時系列で伝えていただけると経過がよく分かり助かります。そんなとき助かるツールに「熱型表」があります。熱型表とは朝・昼・晩など定期的に体温を測ってグラフにしたものです。医師は、ご家族に問診して熱型表を思い浮かべながら診察するので、表で持参いただけると、診察時のコミュニケーションも円滑になり、診断の助けにもなります。ネットでもいろいろ見つけられるので、ぜひご活用ください。

熱を出して寝ている子どもと体温計
写真=iStock.com/yaoinlove
※写真はイメージです

予防接種は早めにスケジュールを立てたほうがいい

日本では生まれてからほとんどのお子さんが定期接種を受けます。生後2カ月から始まるヒブや肺炎球菌、四種混合ワクチンの初回接種率(累積)はおおよそ97~98%と非常に高いです。ところが1歳を過ぎてから接種するこれらのワクチンの追加接種に関しては、ヒブや肺炎球菌の接種率は94%前後とまだ高いものの、4種混合の場合は86%と下がってしまいます。

また1歳で接種する水痘の1回目接種率は94%と高めですが、それから3カ月以上の間隔をあけて接種する2回目は70%と大きく下がっています(6)。その要因として、1歳を過ぎて復職などでバタバタする中で、接種の機会を逃してしまうケースがあると考えられています。そこで、あらかじめかかりつけ医でスケジュールを確認し、家族で分担して接種スケジュールを立てることをお勧めします。

日本小児科学会では、ワクチンについての情報を「知っておきたいわくちん情報」として分かりやすくまとめており、参考になります。