「自分の承認欲求」をマネジメントする

次に、自覚できた自分の承認欲求とどのように付き合えばよいのかについてお話しします。

まず、自分の承認欲求が自覚できたら、そのために相手をコントロールしようとするのではなく、お願いするようにします。

このとき、お願いしたことを断られたとしても、相手を否定したり怒ったりしないことを先に決めておきましょう。

結局は、コミュニケーションとは「お願い」なのです。

コミュニケーションを取っているときは、自分は相手から何らかの形で承認欲求を満たしてもらっているのです。あるいは満たされようとしています。

人に好かれる人は正直にお願いできるからこそ、好かれるのです。

たとえば「おはよう」の一言でも、「私はあなたと良好な関係を持ちたい」とお願いしていると言えます。

挨拶することで何か自分にとってプラスになるという期待があるためです。ですから、「おはよう」と言う瞬間にも、瞬時に相手の機嫌を推し量ったりタイミングを見計らったりしています。

相手に「お願いをしていること」を自覚しよう

例を出すと、友人にお金を借りたいときには笑顔で印象良く「おはよう」と挨拶をして相手の状況を確認するでしょう。良好な関係でないとお金を貸してもらえないためです。

しかし、友人にお金を返したくないときには「おはよう」さえ言わずに、コミュニケーションを取らずに避けるようにするでしょう。

これは極端な例ですが、挨拶や第一声にはどんなコミュニケーションを始めたいのかという明確な意図が込められています。

ですから、自分は相手に対して常に何かしらのお願いをしていることを自覚しましょう。

すると、自然と相手に対して謙虚になれますし、それだけでも相手への接し方が変わってきます。自分のニーズや欲求ばかりを言うようなことはなくなります。

そしてコミュニケーションがお願いだということは、その先のゴールとして、良好な人間関係を構築することが社会的な成功にまで繫がるだろうという期待があります。

仕事でも私生活でも助け合える関係性を作っていきたいわけです。

握手をする人
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