ボイスメモ収録や個人ラジオで感情を整える

声をハッキリ大きく出す練習として、歌うことをおすすめします。歌うことで、セロトニンの分泌も期待できます。セロトニンは心の安定にもかかわる神経伝達物質で、緊張を和らげることにつながります。

ボイスメモ収録や、個人ラジオをはじめることもおすすめです。どちらも1人で声を出すことができます。自分の声がどのように聞こえているか、録音後に改めて確かめることもできますよね。日記のように使えば、気持ちをアウトプットして感情を整える効果も期待できます。

オンラインで話すときに、あえてマイクの音量を下げるのもいいでしょう。そうすることで、意識して声を大きくしないと相手に伝わらなくなります。

小声のとき、人は口をあまり開けていません。口を大きく開けることで表情が豊かになり、相手に感情が伝わりやすくなります。印象もよくなりますね。

オンラインだからこそ、目の前に人がいるように意識して声を出しましょう。

たったひと言の文章で疲れ切らないために

オンラインで仕事をしていると、極端に人と触れ合う時間がへります。これまで同僚や上司と毎日のように顔を合わせていたのに、それが週に1回程度、人により月に数回までへってしまうこともあるでしょう。

繊細さ・敏感さを持つ人は、深いやさしさや人への洞察力があります。相手と自分との間になにが起きているのかを考え、その答えを出そうとします。

毎日顔を合わせていれば、ちょっとしたことから相手がどういう状態なのかがわかります。表情1つで機嫌がわかりますし、体調も想像できるのです。

これがオンラインでのコミュニケーションで裏目に出るケースがあります。

上司から、ささいなことを厳しく怒られたとしましょう。そのときに上司が体調不良気味であることがわかれば、それが原因で怒りを我慢できなかったと想像できます。

「体調不良のときはつい言っちゃうときもあるよね」ととらえるだけで受けるストレスはちがいます。相手の立場・気持ちを理解できると、受ける気持ちのニュアンスが変わってくるのです。

メール・チャットのようなテキスト情報だけでは、相手の立場、気持ちがなかなかわかりません。人は足りない情報を憶測してしまいます。

上司から、いつもより短いメールが届いたとしましょう。単に忙しくて、メールを打つ時間がなかったのかもしれません。それにたいしてあなたは「怒っているのでは」と憶測したとします。この憶測が行きすぎると、次のような状態になってしまいます。

・怒った上司の口調、声のトーンで、メールの文面が再生される
・上司の怒った顔が頭から離れなくなる
・自分の評価が落ちたのではないかと心配になる
パソコンの画面を見る若い女性
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

想像ですので終わりがありません。たったひと言の文章で疲れ切ってしまうこともあるでしょう。繊細な方は深く深く考え込み、ついには謝ってしまうケースもあります。相手は怒っていないので「なぜ謝ったんだ?」と不思議に思うわけです。