春キャベツをちぎって、ビニール袋に入れるだけ

「薄切りにした新玉ねぎに、酸味を抑えたマイルドな酢を入れて一晩寝かせた『酢玉ねぎ』にするのがお勧めです。玉ねぎのケルセチン(ポリフェノール)が血液の流れをスムーズにし、お酢の酢酸やクエン酸には血圧を上げるホルモン分泌を抑える働きもあって、相乗効果で血管に良い食品といえます。納豆に新玉ねぎをみじん切りにして入れてもいいですね」

キャベツには胃腸の健康を守るビタミンUが含まれるが、これも水溶性のため生で摂取するのがよく、「春キャベツ」が向いている。

春キャベツ
写真=iStock.com/peredniankina
※写真はイメージです

「キャベツを一口大にちぎって塩昆布とごま油を一緒にビニール袋に入れて混ぜると、簡単なサラダができます。私はおつまみでよく作りますが、すぐに食べるとシャキシャキ感を楽しめ、一晩おくと漬物のようになりますよ」

新年度を前に不眠には「酢玉ねぎ」、胃腸が弱ったら「春キャベツサラダ」、そしてもう一つ、疲れたら「アスパラガス」と覚えよう。アスパラガス特有のアスパラギン酸(アミノ酸)は疲労回復と滋養強壮の働きがある。また穂先に含まれるルチンも毛細血管を丈夫にするという。これも簡単レシピがある。

「適当な長さ(2~3cm)に切って塩を振り、ラップに包んで1分加熱。ボウルに汁気をきったツナ、マヨネーズ、粒マスタード、アスパラを入れて混ぜるとアスパラサラダになります。ゆでたパスタにソースとしてかけてもおいしいですよ」

栄養素を逃がさないためにも時短レシピで

5月以降は目にいい青紫色の天然色素「アントシアニン」を含むパープルアスパラガスも出回る。ほか、ぶどうやブルーベリーなどの赤~紫色の果実、紫ニンニク、紫玉ねぎ、紫キャベツなどにもアントシアニンは含まれ、抗酸化力が強く目の機能回復の作用がある。

パソコンなどを長時間見ると目がチカチカしたり視界がかすんだりするのは、光を受容するたびに分解・再合成を繰り返す色素体「ロドプシン」の再合成が追いつかなくなるから。アントシアニンは、ロドプシンの再合成を活性化させることがわかっているのだ。

「ただしアントシアニンは水に溶けやすい性質があるため、短時間の加熱で手早く調理するか、煮汁ごと食べられる調理にしたほうがいい」と、望月氏がアドバイスする。

野菜を取り入れようと意気込むと、何だか面倒になってしまうが、基本的には短時間で簡単レシピのほうが野菜の栄養素を摂取しやすい。

管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代氏は「ズボラ調理法」と称して、電子レンジでのきんぴら作りを提案している。包丁を使わない「人参のきんぴら」を下記に紹介しよう。

管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代氏
写真=本人提供
管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代氏