スレイブンスはまた、この年頃の子には「大人の付き添いなしにプールや川などの水辺に近づかない」ように教えることが必要だと言う。もちろん道路を横断する際は左右をよく見て、信号が青になってから渡り始めることも。

そして「うれしい」「悲しい」「怒っている」などの感情を言葉で表現する能力も大事。それがコミュニケーションの第一歩だし、共感力を養うことにもつながる。

■そして10歳までに

もうすぐ中学生だけれど、子供にとってはまだ毎日が新しい学びの連続。でもだんだんと独立心が芽生え、周囲の人を気にし始める。思春期は女子なら8~13歳、男子なら9~14歳で始まる。

「この年頃の子は肉体的にも心理的にもどんどん変化していくから、自分の体に何が起きているのかをちゃんと教えておきたい」と言うのは、子育て世代の共助組織「ペアレント・アノニマス」のリサ・パイオンバーリン会長だ。

悲しいことに、10歳にもなると無邪気ではいられない。特にアメリカでは、幼い子でも銃による暴力から逃れられない。調査機関ピュー・リサーチセンターによると、アメリカでは銃撃で死亡した18歳未満の子供の数が、19~21年に50%も増えている。実際、小学生も複数の銃乱射事件で犠牲になっている。

それから、この年齢で携帯電話を持つのは「特別」であって「当然」ではないということも教えておきたい。「スマホを持たせるのは遅ければ遅いほどいい。いったん持たせたら、インターネット上で語られていることの全てが真実ではないと、しっかり教えておく必要がある」と、パイオンバーリンは言う。

ペアレンタルコントロール機能を使って、自分の子が不適切なチャットルームや見るべきではないコンテンツにアクセスしないように管理する責任が、親にはある。子供のスマホ使用時間にも、一定の制限を設けておきたい。

また、この年になったら一定の危険には自分で対処する必要がある。例えば「1人で留守番しているときは、たとえ相手がアマゾンの配達員でも絶対にドアを開けないこと。たった5分でも何が起きるか分からない」と、パイオンバーリンは警告する。

もう1つ、自分の感情をコントロールする方法も学ばせたい。「まずは親が、共感や気付きの手本を示してやること。独立心が芽生えてきたら、子供だって自分の感情を抑えることを知り、相手には相手の感情があることを理解しなければいけない」と、パイオンバーリンは言う。「そのためにも、家庭内では子供が自分の感情を率直に口に出せるようにしてあげたい」