仕事でストレスを感じたら何をすればいいか。心理学者の内藤誼人さんは「ガムを噛みながら作業をすると、ネガティブな気分になりにくく、ストレスが減り、注意力も減らず、作業のパフォーマンスが向上することがわかっている。だからメジャーリーガーは心を落ち着かせるために、打席に立つとくちゃくちゃとガムを噛む。職場の雰囲気として問題なければ、ガムを噛みながら仕事をするといい。ストレスも吹き飛ぶだろう」という――。(第3回/全8回)

※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

野球のバッターがボールを狙うイメージ
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ネガティブ思考を「モノ」と同じように扱い処分

ネガティブ思考を頭の中から消そう、消そうとしても、そんなに都合よくはいきません。「もう考えるのをやめよう」と思っても、なかなかそういうわけにはいかないものです。

では、どうすればいいのかというと、ネガティブ思考を「モノ」と同じように扱い、ゴミを捨てるように行動的に処理するのです。

スペインにあるマドリード自治大学のパブロ・ブリノールは、83名の高校生に、3分間で、自分の体についてイヤだと思っているところを紙に書いてもらいました。

「目が一重なのでイヤ」
「足が短いところがコンプレックス」
「お尻が大きすぎる」

などのようにです。

さて、こうしてネガティブな気持ちになってもらったところで、ブリノールは参加者を2つに分けました。

ひとつは、ゴミ処理条件。こちらは、自分が先ほど書いた紙をビリビリに破ってからゴミ箱に捨てるように求めました。

もうひとつはコントロール条件で、自分の書いた紙をもう一度読み直して、スペルチェックをするという意味のないことをしてもらいました。

そのあとで、自分の体のセルフイメージについて、好き嫌いや魅力的だと思うかどうかを尋ねてみました。

すると、書いた紙をビリビリに破った人たちのほうが、書いた紙を読み直してスペルチェックをした人たちよりも、セルフイメージがよくなることがわかったのです。