ラジオ番組の放送作家はどのような仕事をしているのか。放送作家の藤井青銅さんは「放送作家たちは事前に芸人やタレントと打ち合わせをし、台本を書いている。ただ、台本はあくまでも“保険”であってまったく無視しても問題ないし、ときにはメモや台本がないほうが盛り上がることもある」という――。(第2回)

※本稿は、藤井青銅『トークの教室 「面白いトーク」はどのように生まれるのか』(河出新書)の一部を再編集したものです。

録音スタジオでマイクに話す女性
写真=iStock.com/Nicola Katie
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最初に担当したのは人気アイドルのラジオ番組

「元々喋りが上手な芸人さんに、青銅さんはどうしてトークのアドバイスができるんですか?」と聞かれたことがあります。自分では考えたこともない質問でした。言われてみれば、たしかにそうです。

昔からお笑いが好きで、笑いの多い小説やドラマや、落語や腹話術脚本まで書いてきました。が、私は人前に出てトークをしてきたわけではありません。なのに偉そうにアドバイスなんかしてるんですから、考えてみれば、芸人さんに対して失礼な話です。

「なんでだろう?」

思いあたるのは、アイドル番組でした。少し私のことを書きます。おつきあいください。

私は「星新一ショートショートコンテスト」というものに入選して、雑誌にショートショートを書くようになりました。1979年です。その年に、ラジオでショートドラマの脚本も書くようになります。本格的に放送作家になったのは1980年から。最初に担当したのは、キャンディーズから女優として復帰した伊藤蘭さんの番組。ラジオでした。

蘭ちゃんは大スターです。一方こっちは駆け出しの新人作家。緊張しました。が、私とは同い年。彼女はとても気さくで、助かりました。あとにして思えば、ベテラン作家だとうまくいくのは見えるが、そうではなく、同世代の若手作家にやらせてみよう――という制作側の意図があったのかもしれません。

当時はなんとも思いませんでしたが、今は、よく私なんかに声をかけてくれたなあ、と思います。