プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2023年版)」を作成した。調査対象会社3892社のうち、ワースト10社の平均年収は約277万7400円で、平均年収が最も低い新都ホールディングス(本社:東京都豊島区)は223万2000円だった。「全国ワースト500社」の詳細をお伝えする――。(第2回)

ワースト10社の年収平均は277.7万円

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2023年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2022年10月期~2023年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

このうち平均年収が低い「ワースト500社」を集計したところ、平均年収額は418.8万円だった。これは、全上場企業の平均年収620.4万円(東京商工リサーチ・2023年8月公開「上場企業3235社 2022年度決算『平均年間給与』調査」)を下回る。

また、ワースト10社の平均年収は約277.7万円で、前回より約14万円減った。

ワースト1位は廃金属の輸出入業を行う会社

調査対象3892社のうち、従業員の平均年収が最も低かったのは、新都ホールディングスだ。カジュアル衣料の卸売り「クリムゾン」が祖業で、かつてはハワイ発のアパレルブランド「PIKO」の企画・販売を行っていた(現在は株式会社海援隊が取り扱っている)。

「クリムゾン」時代に販売していたPIKOのTシャツ
プレジデントオンライン編集部撮影
「クリムゾン」時代に販売していたPIKOのTシャツ

そこから業態変革があり、今はアルミニウムや銅など廃金属の輸出入業務を行っている。

平均年収額が低い企業は、一般的には地方拠点が多いが、同社は東京都豊島区に本社を構える。

従業員数は前期の14人から減って8人。平均年齢(49.36歳→56.6歳)や平均勤続年数(1.3年→1.41年)と推移。これまで平均年収は300万円台を維持していたが、前期に比べて124.5万円のマイナスだった。担当者に話を聞くと、「有価証券報告書で開示している通りです」と話した。

「メガネスーパー」運営会社は6位

2位のトスネットは、交通誘導警備事業が主力。日給の割合が多く、有価証券報告書の開示では低い金額になりやすい。

3位は不動産業のエスポア。4位は中国・九州エリアを中心にスーパーマーケットの「マルミヤストア」や「マルキョウ」を運営するリテールパートナーズだった。

※編集部註:初出時、アクセスグループHDをランキング5位(275万円)としていましたが、同社は事業年度を変更しているため、275万円は6カ月分の平均年収です。説明が不十分でした。アクセスグループHD社を図表から外し、ランキング表を修正しました。(2024年3月21日11:45追記)。

続いて昨年ワースト1位だった夢みつけ隊、眼鏡販売チェーン「メガネスーパー」を運営するビジョナリーHDと並ぶ。

ファンドクリエーショングループは不動産ファンド運用が主力業務。ワイエスフードは九州地盤のラーメン「山小屋」を運営する。