生徒たちが堂々とボランティアに参加するようになった

工藤勇一『校長の力 学校が変わらない理由、変わる秘訣』(中公新書ラクレ)
工藤勇一『校長の力 学校が変わらない理由、変わる秘訣』(中公新書ラクレ)

僕は話の最後に「僕は行動こそ価値があると思う。麹町中は心がどうのこうのじゃなくて、良い行動を続けられる学校でありたい。ボランティアの日に多くの人に参加してほしい。麹町中が、行動に価値があることを知っている生徒たちでいっぱいになってほしいからです」と締めくくりました。

それ以降、多くの生徒たちが堂々とボランティアに参加するようになりました。以前は参加したいけれど迷っていたり躊躇していたりした子どもたちが、誰にも気がねすることなくどんどんボランティアに集まってきました。

こうした語りかけは「ボランティアに参加しなさい」と上から指示するのとは大きく違う。そのことがおわかりいただけたでしょうか。

【関連記事】
【第1回】リレーをやりたい生徒8割、やりたくない生徒たった15人…それでも「中止」を選んだ中学生が守りたかったもの
スウェーデンの「荒れた中学校」が激変した…「1日30分の運動」で子供たちがすっかり明るくなったワケ
人は生きているだけで価値がある…4000人を看取ったホスピス医が「早く死にたい」という人に伝えること
「人間関係で悩んでいる」という相談に"まずは気分転換しよう"は大間違い…本当に優しい人がすること
中2で「初めてのセックスはどんな状況か」を考えさせる…日本と全然違うカナダの性教育