「面倒だ」と思った瞬間、効率は2分の1以下になる

やるべきことを残さないためには結構な集中力が必要ですが、集中力を一気に下げるタブーワードがあります。それは、「面倒くさい」です。

これは思っていてもダメですし、言ってしまったらもっとダメです。

目の前のことが面倒だと思った瞬間、気が重くなり、体や頭が動かなくなってしまいます。面倒くさいというのは、「それを言ったらおしまい」というタブーワードなのです。

世の中に面倒でないことなどありません。労をかけずに得られるものなどないのです。

私の場合、食事をしないでも生きていけるならその方がいいですし、寝なくてもいいのなら寝ない方がたくさん時間をつくることができます。その分、好きな本を読んだり、もっとお金を稼いだりもできるわけです。

しかし、そんなことは不可能なわけで、しょせんは「もしも」の世界です。

食事をするのも眠るのも、働くのも、現実として私たちが生きていくには必要不可欠なことであり、それを否定することはできません。

基本的に、人間は欲望に正直な生き物です。そのため怠け者で、どうしても易きに流れてしまうのですが、それをやらない理由にしてはいけないのです。

どんなことにしろ、どうせやらなければいけないことなのであれば、さっさとやってしまうに越したことはありません。嫌だという気持ちの中でやるより、割り切ってしまった方が何倍も楽に、そして早く終わります。

あまり気が進まないからこそ、短い時間の中で集中して片付けてしまう。やはりこれが原則なのです。

「面倒」という言葉が頭をよぎったら、「め……」のあたりで止めましょう。

目を閉じ一呼吸。そして姿勢を正し、気合を入れましょう。

現状に固執することではなく、損切りをする

株式投資で大事な考え方に、「損切り」というものがあります。

損切りとは、持っている株の株価が下がってきてしまったとき、一定以下の金額になったら売ってしまうことです。つまり、若干の損は出てしまうものの、これ以上損が大きくならないうちに売り切ってしまおうというものです。

損切りの考え方は、人生においても非常に重要なものだと、私は常々思っています。

なぜなら、損切りの発想ができない人というのは「もしかしたら……」を考えてしまいがちだからです。

もしかしたら、待っていれば株価はあとで回復してくるかもしれない。

もしかしたら、今以上にもっとうまくやれる方法があるのかもしれない。

この「もしかしたら……」というのは本当に厄介です。ありもしない、起こりもしないことに期待をすることで、ロスが大きくなってしまう。

また、自分のやり方、今の状況に執着するあまり、次の行動を起こせないということにもなります。「もしかしたら」に賭けても、1つもいいことがないのです。例を出しましょう。

ある男性が交際していた女性にふられたとします。

しかし、男性は女性に対する未練があり、「もしかしたらまだ……」と連絡を取ろうとします。口実をつけ、食事に誘ったりもするでしょう。

ただ、女性の方にはそんな気はまったくなく、別に意中の人がいます。と、こういうのはよくある話だと思います。

男性自身、可能性は低いということをわかりながらしばらく未練を引っ張り続け、その間ムダな労力、時間、お金をつぎ込んでしまう。つまり、これが損切りができていない状態なわけです。当然、仕事にしたって勉強にしたって同じことです。

たとえば、資格勉強のための参考書を買った。しばらくやってみても、いまいち頭に入ってこない。そういうことは誰にでもあることだと思います。

私の場合、この段階でもう二度とその参考書は読みません。

頭に入ってこないというのは自分に合っていないということなので、読み進めていったところで劇的にわかりやすくなるということはほとんどないからです。

その参考書は数千円したかもしれませんが、より効率よく勉強するために、新たな数千円の参考書に投資をします。

しかしこれを、「せっかく買ったんだし」とか「読んでいるうちにわかるようになってくるかな」とか、そういう発想でいると時間と労力の損害は拡大していくのです。

そうならないよう、「続けているうちにもしかしたら……」なんていう発想はすぐに捨ててしまいましょう。

現状に固執することではなく、自分をさらに伸ばしていく方法を考えること。

損切りすることこそが、目標達成への近道なのです。