仕事の速い人は何をしているか。弁護士で公認会計士の佐藤孝幸さんは「やるべきことを残さないためには結構な集中力が必要だが、目の前のことが面倒だと思った瞬間、気が重くなり、体や頭が動かなくなる。『面倒くさい』という言葉は、集中力を一気に下げるタブーワードである。あまり気が進まないからこそ、短い時間の中で集中して片付けてしまうことだ。『面倒』という言葉が頭をよぎったら、『め……』のあたりで止めたほうがいい」という――。(第2回/全4回)

※本稿は、佐藤孝幸『仕事と勉強を両立させる時間術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

頭を抱えて悩むビジネスマンのイメージ
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その日に「返さないといけないメール」を残さない

私は自分でも仕事が早い方だと思っているのですが、特に意識しているのは何でもすぐに片付けてしまうということです。今できることなら、その瞬間にアクションを起こします。今日やるべきことは必ず今日中にやり、明日に持ち越しません。

そうすることで、明日何らかのトラブルが起こっても余裕をもってあたることができるので、スケジュールをコントロールしやすいのです。

たとえばメールですが、私は事務所にいるときメーラーを常に立ち上げっぱなしにしています。仕事の案件などは、だいたい私を介して入ってくることが多いものですから、スタッフにふるにも自分で確認しないといけません。

1日に数十のメールのやり取りがありますので、とにかく心がけているのは、「返さないといけないメール」を残さないことです。その際、テクニックとまではいきませんが、返信した受信メールはゴミ箱へすぐに捨ててしまうようにしています。

返信、捨てる。返信、捨てる。返信、捨てる。

これを繰り返すと、「返さないといけないメール」の数はどんどん減ります。

すると、受信ボックスに残るのは「今返信するよりあとで返信する方がいいメール」ということになります。そして、それも頃合が来たらさっさと返信し、ゴミ箱へ。

こうすれば「あとであれをやらなきゃ」という余計なストレスを抱えることはありません。すぐやってしまった方が気持ちよく他の仕事に集中できるのです。

ちなみに、私は勉強用に買った本なども、とにかくその日のうちに読みはじめます。

そして、少なくとも1週間以内にはすべて読み切ります。延ばし延ばしやっていると、いつまでたっても新しいことをはじめられませんし、“なぁなぁ”で終わってしまうからです。やるべきことは絶対に残さないようにしてください。