「新NISAに自動で引き継がれる」は間違い

すでに旧NISAを運用していた方は、24年1月に自動的に新NISAの口座が開設されているので開設の手続きは不要ですが、前述した通り、保有商品が自動的に新NISAに切り替わることはありません。旧NISAの保有商品の売却手続きを行い、新NISAで新たな買い付け手続きが必要になります。

投資枠の拡大に合わせて金額や商品を変更する場合も、当然手続きをしなければなりません。「もともとNISAをやっていたから、何もしなくてもいい」と考えている方は注意が必要です。

つみたてNISAで積立設定していたものはつみたて投資枠に自動的に移行され、一般NISAで積立設定していた場合は成長投資枠に自動的に移行されます。積立運用であればつみたて投資枠を利用し(対象銘柄は決まっています)、成長投資枠は投資信託の一括購入や株式の買付用として残しておくなど、異なる使い方をすることで選択肢が広がってきます。

ブタの貯金箱と増えるコイン
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金額については個人によって異なりますが、旧NISAの売却金額分を成長投資枠で一括購入しても良いですし、値動きが気になる場合は積立設定で分けて購入しても良いと思います。

つみたて投資枠はじっくりこつこつ

旧NISAから切り替える場合も、新規資金で運用する場合も大切なのは「非課税金額が毎月30万円まで増えたから○○万円積立しよう」だとか、「YouTubeでおすすめされていたから」など周りの情報に合わせて決めるのではなく、全体資産のバランスやご自身のリスク許容度などを考えた上で決めることです。

つみたて投資枠は、旧つみたてNISAと同じ金融庁の基準を満たした投資信託、REIT(不動産投資信託)などが投資対象で、成長投資枠は、上場株式投資信託、投資信託、REITなど旧一般NISAと同じ金融商品(①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、高レバレッジ型及び毎月分配型の投資信託等を除外したものに限定されます)が対象です。

簡単にお伝えすると、つみたて投資枠の使い方は従来の「つみたてNISA」と同じような使い方が良いでしょう。つまり、将来のために積立をしてじっくりと資産を形成するという手法です。月々5万円積立ができる方であれば1年間で60万円、10年間で600万円という形でつみたて投資枠を使う事ができます。