若者支持率では維新と肩を並べるれいわ

さて、通常であればこのような原稿は、次のように続くことが多い。

「立憲民主党は高齢者の支持に偏っており、政策的に若者の支持を得られていない。批判ばかりという印象が強く、何かを変えてくれるというイメージを与えられていない。ネット上の極端な意見の有権者ばかりの声を聞くのではなく、もっと若年層のリアルな声を聞き、政策に反映させない限り、永久に与党に勝つことはできない」と、このような具合である。

政治記事を積極的に読む方なら一度は耳にしたことがある意見ではないか。

上記のような意見は正しいのだろうか。これを考えてみたい。

年代別の支持率は、政策的な正当性を補強する論拠として使われることがある。とりわけ、野党第1党である立憲民主党(あるいはその前身の民主・民進)に対する批判的文脈を補強するデータとして使われることが多い。そして、その対比になるのは、自民党であったり、国民民主党であったりする。では、それ以外の政党を見ていこう。

ここまで触れていないが、れいわ新選組は各種調査で40代以下の支持が厚い。先程のNHKによる年代別調査でも、詳しい数字は公表されていないものの、20代では維新と同程度の支持を獲得していた。

YouTubeの登録者数はれいわがダントツ、次いで参政党

れいわ新選組のYouTube公式チャンネル登録者数は28.3万人と、他党と比較しても際立って高い。自民党が13万人であり、国民・玉木代表の個人チャンネルでも13.8万人であることを考えれば、その2倍以上となる(肉薄しているのは22.5万人の登録者を誇る参政党くらいか)。

ネットでの発信力が若年層の認知度・支持率に大きく貢献しているのではないか。

れいわ新選組に次いで、23万人のYouTube登録者数がいる参政党も見逃せない。参院選の若年層を分析した記事では「参政党に投票した人を年代別に見ると18、19歳では6.9%、20代は5.9%、30代では4.8%と若い世代ほど支持を広げていました」との記述がある。参政党はYouTubeだけではなくTikTokなどでも支持を広げ、テレビではほぼ主張が取り上げられないにもかかわらず、一定の支持率を得たわけだ。

このように見ていくと、政策的な方向性より「どのようなメディアを見ているか」という点のほうが、政党支持に大きく影響しているのではないか。

前述のような「批判ばかり」というようなイメージも、テレビ的、あえて言うならワイドショー的な価値観で、そのようなネガティブな認知すら持っていない若年層も少なくない。