太陽の光は一石四鳥

ビタミンDは、健康な骨を維持するために欠かせないビタミンです。ビタミンDは、魚類やキノコ類などの食品からとるほかに、その一部は日光を浴びることで身体の中で生成することができる特殊なビタミンです。

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皮下脂肪には、ビタミンDのもとになるコレステロール生成のための中間体があり、それが紫外線に反応してある種のビタミンDをつくります。

本当に人間の身体もひとつの奇跡なのです。太陽や食べ物、環境に影響されながら私たちは生きています。

また、光を浴びて生成されたセロトニンは、夜になると「メラトニン」というホルモンをつくりだします。このメラトニンは、睡眠ホルモンといわれます。

高齢になり「眠れない」という訴えが多くなりますが、老いるとメラトニンが減少していくので仕方がないことなのです。しかし、陽を浴びることでメラトニンを増やすこともできます。

それで、不眠の方には、外に出てウォーキングすることをおすすめするのです。

体操教室やジムやヨガ、スイミングに行って筋肉を鍛え、人と交流することは大事なことですが、室内での運動だけでなく陽の光を浴びる習慣をぜひつくってください。

太陽の光は、一石二鳥どころか三鳥も四鳥も、あなたを元気にしてくれます。

高齢期のダイエットなんて、とんでもない

いまの中高年以降の方たちは、おしゃれに気をつかう方も多いと思います。女性も男性もファッション誌華やかな時代を過ごしてきました。たくさんの雑誌やテレビの影響をいちばん受けている世代と言ってもいいでしょう。

そのためか、高齢者の仲間入りをしているのに、ダイエットをしようと考える人がいます。

重い糖尿病や何かの病気のために食事制限がある方なら仕方がないのですが、高齢期に入るところでのダイエットはやらないほうがいいでしょう。

理由は、ダイエットをすれば筋肉も減るのは確実だからです。少し太り過ぎを気にするのなら、身体を動かしてほしいと思います。

少し太っているほうが長生きするという研究もあります。

かつて宮城県で大規模調査したときも、痩せ型の人より少し太目な人のほうが、6年から8年平均余命が長かったのです。

メタボ検診では、腹囲を計って男性が85センチ、女性が90センチ以上だとメタボリック症候群のリスクのひとつになります。

理由のひとつとして、肥大化した内臓脂肪細胞から分泌される生理活性化物質アディポサイトカインが糖尿病や高血圧の原因になる、というものがあります。

そういう細胞研究もたしかに正しいのですが、すごい肥満体の人にはそれは当てはまっても、少しふっくらしている人の場合、心理的なことを含めて、十分に栄養をとるメリットのほうが大きいのです。