消費税がさらに引き上げられる可能性はあるのか。産経新聞特別記者の田村秀男さん「財務省は15パーセント以上に引き上げようとしており、防衛費増額はその踏み台だ。メディアは財務省の思惑に乗せられ、消費税増税に向けた世論を醸成しようとしている」という。ジャーナリスト石橋文登さんとの共著『安倍晋三vs 財務省』(育鵬社)より、一部を紹介する――。
見出しに踊る「増税」の文字
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです

財務省に頭が上がらない新聞社

【石橋】本書の第三章で、財務省のなかでも理財局は軽視されてきたと話しました。

理財局を軽視してきたのは新聞社をはじめとするマスコミも同じで、だから国民には理財局の重要性、理財局の管理する莫大な国有財産の存在が理解されてこなかったのだと思います。

新聞社でいえば、経済部の責任は大きいと思います。

【田村】きちんと理解して伝えられる人材を育てて配置していないという問題が大きい、と思います。

【石橋】財務省の記者クラブは「財政研究会(財研)」という名称です。記者クラブなのに「研究会」は、おかしい。財務省に財政を教えてもらって勉強しています、みたいな意味になりますからね。

まるで財務省の生徒みたいじゃないですか。

官僚に“ポチ”呼ばわりされる記者が出世する

【田村】財務官僚は情報を欲しがる財研記者を“ポチ”と呼んで手懐けます。内心でバカにしている。そんな記者が新聞社のなかでは評価されるのです。

【石橋】財研でキャップを務めて、財務省から覚えめでたい記者が経済部長になります。

そういう人物が経済部を主導するわけですから、財務省の言いなりになるのも無理ありません。

【田村】それから、論説委員も同じです。経済担当の論説委員は、財務省から覚えめでたい人物が就きます。

それで何かあると、「ご説明にあがります」と財務官僚がやってきて簡単に籠絡してしまう。