「本当に自分のことを好きならこうしてくれるはず」

またもっとわかりやすい例だとこんな悩みもあります。「恋人にちゃんと愛されているか不安だ」という悩み。ここでは「本当に好きならばこれぐらいの言動はしてくれるはずだ」という期待があるはずです。

このように人間関係で生じる悩みのどこかには必ず「期待」があるのです。

ただここで勘違いしてはいけません。私は「期待がどこかにある」という話をしているのであって、それが正しいかどうかという話はしていません。

たとえば「どんな人間も職場では普通に接してくれるはずだ」という考え方は別に間違ってはいません。ただ期待があることは間違いないという話なのです。

期待の有無と、善悪の話をごっちゃにすると、さらに悩みを解決させにくくするので、気をつけておきましょう。

では人間関係の悩みに期待があるとしたら、どうすればいいのか。根本的には「期待に気づき、外す」のが一番の対策です。

職場で強く当たる特定の人がいたら、「ああ、この人は期待しちゃいけないな。こういう人なんだな」と思ってあしらうことです。恋人の言動に不安を持ったら、「ああ、こういう人なんだな」と思って付き合うことです。どんな場合も人間関係の悩みの解決はこれが基本になります。

必要なことは「人生を俯瞰する」こと

人はなぜ悩むのか。それは幸せになりたいからでしょう。ではどうしたら幸せになるのか、私は「あるがままを見る」ことだと思います。前項で、人間関係の悩みは「期待を外すこと」というお話をしましたが、言い換えると人間関係を「あるがままに見る」ことでもあります。

なぜ「あるがままを見る」のが幸せにつながるのか。人間が不幸だと感じているときは、「不幸」であるポイントだけを見ているのです。しかし、人生は様々な要素があります。全てにおいて不幸であることなどありません。

不幸だと思う要素だけを見て、それだけで頭がいっぱいになっている。だから不幸なのです。景色を見て、その景色のどこかに枯れた木がある。そこだけを見て、侘しい気持ちになる。幸せに思えない人はそれに近い行動をとっているのです。

ではどうしたら「あるがまま」を見られるのでしょうか。必要なことは「人生を俯瞰ふかんする」ことです。人生、その構成要素である一年、一日一日の全体を第三者として眺める。第三者として眺めず、人生の登場人物として考えるとどうしても感情的になり、視野が狭くなりがちです。それだと今までと何ら変わりませんから、第三者として見る。この態度が大切です。