子どもの漢字力はどうすれば身につくのか。「角川まんが学習シリーズ どっちが強い⁉ 身につくドリル」(KADOKAWA)シリーズ監修を務める小学校教諭の土居正博氏は「ひたすら書き取りをさせる従来の学習方法では子どもは漢字嫌いになってしまう。それよりも漢字を読む練習に力を入れたほうがいい」という――。
リビングで宿題をしている子供
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

漢字学習は何十年も「ノートに書き取る」から進化しなかった

小学生になると誰しもが必ず取り組む漢字学習。皆さんはそんな漢字学習に対してどのようなイメージを持っていますか。「何度も何度も同じ字を書く」「毎日毎日ひたすらノートに練習する」などなど、「根性論」のようなイメージを持たれている方も少なくないのではないでしょうか。私も、同じでした。小学生の頃から漢字の宿題は嫌いでした。いい加減にノートのマスを埋めていたのを覚えています。

そして、やがて大人になり、小学校の先生になってから驚いたことがあります。それは、私が受けてきた漢字指導と、私が小学校の先生になってからの漢字指導とが、全く変わっていなかったことです。相変わらずノートに同じ漢字をとにかくたくさん書かせる指導が主流だったのです。

もちろん、文字習得においてある程度「繰り返し」書くことが欠かせないことは心理学の研究などで分かっているのですが、ただやみくもに何度も書かせれば字を覚えるかと言えばそうとも言えません。何より、単調に何度も書かせる学習のせいで、子どもたちが漢字学習を嫌いになってしまうと学習の成果はガクッと下がってしまいます。現に、小学校には「漢字が苦手」で苦しんでいる子がたくさんいました。