代理で会食に出席することも

小野清子先生から学んだことは山のようにありますが、とくに話しかたについては大いに学ばせていただきました。と言っても、先生から直接指導を受けたわけではありません。小野清子先生はスピーチの名手でした。私は話しかたの勉強など一度もしたことはありませんが、今も周囲の方々から間のとりかたが絶妙だとよく言われます。私自身はそのような技術も知らなければ、何かを意識しているわけではなく、自然にそうなっています。社会人になりたてで毎日のように小野清子先生のスピーチを聴く機会に恵まれたおかげで、私の体のなかに自然に先生のお話のリズムがしみこんでいたのでしょう。

先生のスケジュールはいつもいっぱいで、時には同日時に会合が重なったりもしました。そういうときは、第一秘書や第二秘書の先輩が代理で出席するのですが、ときには社会人1年生の私でさえも代理でパーティーや会合に出席し、先生の代わりにごあいさつをすることもありました。そういうときに備えて、先生の迷惑になることは絶対言わないように、また先生の秘書として恥ずかしくないように、ふだんから自分なりに努力していたように記憶しています。

付箋を利用した手帳
写真=iStock.com/Olga PS
※写真はイメージです

バブル絶頂期に、ひとり暮らし、就職先のない落ちこぼれの私を拾ってくれた先生には、本当に感謝しかありません。そして、こんな私を温かく支えてくれた諸先輩方にも感謝の気持ちでいっぱいです。職場は、温かい家族のような人間関係であったことは、当時、両親が離婚裁判中で、実家のことで心を痛めていた私を救ってくれました。私が今、自社でスタッフたちに「家族を最優先で仕事をしてね」と声をかけ、スタッフたちをファミリーと言っているのは、社会人1年目で体験した環境に起因しています。母性あふれる小野清子先生、本当にありがとうございました。

目標は27歳でマナー講師として独立すること

議員秘書のあとは、あるジャーナリストの秘書としてその道を追究しました。ここでは「本物の秘書とはこういうことだ!」という、まるで小説やドラマ、映画に出てくるような秘書としての役割と仕事を経験させてもらっていました。こちらでも先生をはじめ、スタッフの皆さんにお世話になりました。心から感謝しています。

20代半ばから、仕事をしながら本格的にマナー講師になるため学ぼうと、憧れのマナー講師・岩沙元子先生のご自宅兼サロンに片道2時間かけて通い始めました。さらに将来のために勤務先からの支援を受けながら、簿記会計の知識を学び、資格を取得しました。その会社にも社長にも本当に感謝しています。ありがとうございます。20代で転職をくり返した私でしたがもともと、27歳で独立をすると決めていたのです。