社長の奥さんが真実をズバリと言い当てる理由

よく、大会社の社長が奥さんを亡くすと、判断を間違うようになるといわれます。それは、取り巻きが本当のことをなかなか言わないのに対し、奥さんは真実をズバリと口にするからです。

もちろん、奥さんは、仕事の詳細な中身や取引の仕組みなどは知らないでしょう。ですが、夫を守ろうという強い気持ちを持っています。そのために、ふっと感ずることが、しばしばまとを射るのです。

たとえば、奥さんが、「Bさんは嫌いですよ」と直感的に言います。夫である社長は、「俺だってBの欠点はわかっているよ。しかし、彼には別の長所があるのだ。会社のことに口をはさまないでくれ」と怒ります。

しかし、その後、実はBが会社に損害を与えてきた腹黒い人物であり、妻の言葉が正しかったことが露呈したりします。

さらに、取り巻きがBの悪い情報について口をつぐんでいたことを知ったりするのです。

こうして社長は、徐々に奥さんのアドバイスを参考にするようになるのです。やがては、それに頼るようになったりします。

家で喧嘩する老夫婦
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家族は一つの全体であることを忘れない

会社の社長でなくとも、夫は妻の言葉にしばしば助けられるものです。「助かったよ。ありがとう」と表だって口に出すことは、そうないでしょう。

しかし、長く一緒に暮らせば暮らすほど、妻はなくてはならない存在になっていくのです。

「夫婦とは二つの半分になるのではなく、一つの全体になることだ」と画家のゴッホは言いました。本当にその通りだと思います。

私の妻は亡くなってもういませんが、夫婦が一つの全体であった感覚は、いつまでも残っています。

配偶者がなくてはならない存在であると意識しているだろうか。

夫婦愛は甘えすぎず、依存しすぎず、適度に甘えて頼り合うのがいいのです。