Qおすすめの活用法は?

A「ヨコに活用」し出題傾向を掴む

一番意識してほしいのは“解いて終わり”ではなく、解説をしっかり読んで復習するということ。過去問を解く目的は、合格判定のためではありません。重要なのは出題傾向を知り、自分の苦手分野を見つけ出して対策することです。

例えば、5年分の算数の大問1だけをひたすら解くような日を設けてもいいでしょう。このように「ヨコに使う」ことで、大体毎年どのような形式の問題が出ているかが掴めれば、アドバンテージとなり確実な得点につながります。実際に、5年分すべてで「大問1には、似た逆算の問題が出ている」といったことも少なくないので、思わぬ法則性を見つけたときには「おお!」とガッツポーズしたくなるかも。親がパラパラと見て法則性を探してもいいですし、親子で一緒に見るのもいいでしょう。

Q本番形式で解く時間が全然ありません…

A今からスケジュールを押さえて!

本番形式で過去問を解く機会ですが、カレンダーを見れば、直前になればなるほど「そんな時間は全然ない」ことに気づくかと思います。受験生は宿題や復習で忙しいうえに、土日も直前特訓で、時間はどんどん限られていきます。そこで大切なのが、秋の時点で、受験当日までに、本番通りに解ける日がいくつあるか把握し、過去問を解く計画を立てること。

『プレジデントFamily2023秋号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2023秋号』(プレジデント社)

本番と同じように全教科を解いたうえで、復習を含めた振り返りの時間をとるのであれば、半日~1日は必要でしょう。前後の予定で、体力を考慮することも大切です。

それほどの時間がとれない場合には「今日は2021年度の算数と理科、明日は国語と社会」などと振り分けて、受験当日までに2周はできるようなスケジュールを立てましょう。行う際には環境にも気をつけたいものです。時間をはかり、机の上に余計なものをおかず、家族にも邪魔をさせないよう、一人で集中できる状況をつくってから取り組んでください。時間をはかるのは緊張感を持つことに加え、受験当日に必要な解答スピードを鍛えるためです。時間配分まで考えながら解く習慣を身につけましょう。