「空はなんで青いの?」という質問に親はどう答えたか

小学1年生のときには、初めて仲間と何かを成し遂げることの楽しさを知りました。学校の裏庭のような場所に秘密基地を作って、皆で遊んでいたんです。当時、テレビで「特捜戦隊デカレンジャー」が流行っていたので、僕たちは「チビレンジャー」を作ろうと。それで私が隊員募集のチラシを作って、帰りの会で配らせてもらいました。それでたくさんの仲間が集まったんです。

募集の紙は、Wordで作りました。ちょうどWord2003が出た頃で、父にパソコンの使い方を聞いたんじゃないですかね。わが家では毎年、お正月にその年の目標を家族会議で発表していました。父が目標をWordで打って印刷して、家に張っていたのを見て、チビレンジャー募集のチラシを作ろうと思ったんでしょう。パソコンを使ってチラシを作ることを、親も認めて手伝ってくれたわけです。これに限らず、両親は私がやりたいことを応援してくれました。

私は本が好きだったので、本の読み聞かせについても感謝しています。小さい頃は、寝る前に母に絵本を50冊くらい読んでもらっていたと聞きました。母が「読み出したら目がさえてきてしまい、午前3時くらいまで寝かせてもらえなかった」とぼやいていたことを覚えています。

髙島崚輔さん
撮影=森本真哉

ほかにもたとえば、家族旅行に行くときに、どこに行きたいかを私と2人の弟とで決めていたこともありましたね。子供たちが本を読んで「ここに行きたい」と言えば、そこに行ってどう旅行を楽しもうかと一緒になって考えてくれる。

私たち兄弟がやりたいと言い出したことについて、賛成や反対を言うのではなく、私たちの思いを尊重したうえで、質問をしてくれたのが印象的です。「なんでそれをやりたいの?「それってどういうふうにやっていくの?」「困ったことが起きたらどうする?」と。子供を一人前の人間として認め、対等に向き合ってくれました。

たとえば散歩しているときに「空はなんで青いの?」という素朴な疑問が浮かんだなら、両親は「どうしてだろうね」と一緒に考えてくれました。おかげで、自分なりに答えを導き出すプロセスの面白さを知りました。

今やネットで検索すればなんでも答えがわかる時代ですが、すぐに調べずに、まずは自分の頭で考える習慣がついたことに感謝しています。

挑戦を応援し、褒めて伸ばしてくれたことは、その後の私の成長にとって大きかったと思います。

自発的に行動することはとても重要ですが、その前段階として、自分のやりたいことを見つけて、目標を決めるということが大切だと思うんです。するかしないかの前に、進む方向を自分で決めるということが。

私の親は、この点を大事にしてくれていたんじゃないかなと思います。