女子大生からの人気NO.1は明治

臨床心理士で、明治大学で「婚育プログラム」も行う文学部の諸富祥彦教授は、2008年に誕生した「婚活」という言葉が日本の結婚市場を大きく変え、学歴重視の傾向をも強めたと指摘する。

明治大学文学部教授
諸富祥彦

1963年、福岡県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。教育学博士。臨床心理士、上級教育カウンセラーなどの資格をもつ。『【年の差婚】の正体』(共著)など著書多数。

「運任せの要素が強かったかつての恋愛結婚ではなく、自分の市場価値と相手の価値を見極めて、自己責任で結婚活動をするようになった。まさに就職活動と同じですね。特に女性は結婚に安定を求める傾向が強いため、収入や転職の有利さと連動しやすい学歴もスペックの一つとして着目するようになったのでしょう」

学歴だけで結婚相手を選ぶ人はいない。しかし、年収や職業と並んで結婚市場における価値の一要素として、公然とチェックするようになってきたのだ。

「20代の女性は婚活に目覚めています。私の研究室の院生もつい最近結婚しました。私の世代では院生なのに結婚する人は『できちゃった婚』以外は女性でもほとんどいませんでしたよ。ところが、この数年で急激に意識が変わった。その院生は『いい物件(男性)は早くセリ落とさないと売れてしまう』という名言を残してくれました」

自分自身は明治大学でも、ルックスに自信がある女子学生は「明治の男では物足りない。早慶じゃなくちゃ嫌」などと言い切る人もいるという。ただし、高偏差値であればあるほどいいとは限らない。諸富さんの学生たちが広く大学生を対象に行った調査によると、女子大生から最も人気が高かったのは明治大学だった。

「彼氏にしたいという項目では慶應が1位。しかし、彼氏にしたくないというマイナス評価でも慶應が1位です。気難しそう、鼻持ちならないという印象があるのでしょう。『(一度は)彼氏・彼女にしてみたい』という項目には慶應の男子や東大の女子がランクインするのですが、実際に結婚となると、それらの学歴を敬遠する人も多いのです。その点、明治大学の学生にはマイナスポイントがない。『まずは友達から』という項目を含めると総合力で人気ナンバーワンなのです」

受験者数でも日本一を誇る明治大学。実際には早稲田大学との併願が多いことで知られ、早稲田を落ちて明治に入ったという学生も少なくない。明治大学の1、2年生が和泉キャンパスに行く途中には甲州街道に架かる陸橋があり、「涙橋」と呼ばれている。第一志望の大学に入れなかった悔し涙をこらえながら橋を渡ることは、妙なプライドやこだわりを捨てる通過儀礼となるのだ。

このようにして、「能力は高いのに謙虚」であるとして企業から重宝され、「明治の男とは結婚したくないという女性はいない」と評される全方位型の人材が出来上がる。

一方で、明治大学文学部の1、2年生を対象にした調査によると、共学出身者の男子学生は約4割が「彼女がいる」と回答したのに対し、中高一貫の男子校出身者では9%しか彼女がいない。

「男子校出身者は男同士で集まってしまう傾向があります。大学時代に女性と交際できないと、卒業後もできないままのことが多い。子供を中高一貫男子校に入れるには覚悟が必要ということです」

※すべて雑誌掲載当時

(小林雄一=撮影)
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