結婚市場は高学歴男性の一人勝ち状態。一方で苦戦する高学歴女性。やっぱり結婚と学歴には、切っても切れない関係があった。
調査概要/gooリサーチと共同でインターネットを通じて調査を行った。調査期間は10年7月1~2日。対象は20~40代の独身男女。性別、年代ごとに均等割付で2125人より回答を得た。

働きながら資格学校に通っている笠原清美さん(仮名、33歳)は、先年別れた恋人を呆れ顔で振り返る。

「中央大学法学部出身の彼は、法学部以外や低レベルとみなした大学の出身者を陰でこきおろすのよ。『あいつらは頭悪い!』って。逆に、国立大学出身の人が何気なく『私立の学校は~』と口にしたら、私立大学をバカにしていると憤慨する。私は『学歴なんてどうでもいいのに』と白けちゃったな」

笠原さん自身は早稲田大学法学部卒。彼の学歴コンプレックスを刺激しないように気配りする毎日だった。

「でも、模擬試験で私より点数が下だとすごく落ち込むの。早稲田には勝てないって。さすがに面倒になって、『そんなふうに言われると私も傷つく。女性の場合は高学歴だと避けられたりするから逆にコンプレックスなんだよ』とちゃんと説明したけどわかってくれなかった」

現在は同じく早稲田大卒の男性と結婚を前提に同棲中の笠原さん。学歴が話題に出ることすらない。以前の恋人と早めに別れてよかったと言い切る。

図を拡大
図1/図2

「自分で密かに引け目を感じているだけなら受け入れられるけど、発言として外に出てくるのは結婚相手としては耐えられない。顔色を窺って生活するのは嫌だから。自分と同じか上ぐらいの学歴の男性のほうが気楽でいいと思う」

プレジデントの独自調査でも、そんな女性の本音が浮かび上がった。独身男女2000人に対し、結婚相手に求める学歴について「理想ライン」と「妥協ライン」に分けて回答を求めた。大卒男性が女性に求める学歴(図1)は「無名でもいいので大学卒」と明快だ。理想と妥協の間にも大差はない。

一方で、女性が男性に求める学歴(図2)はより高く、大学のレベルごとに細分化される。理想ラインでは、国立・早慶上智クラスの女性ではなんと64%が、男性に自分と同じクラスの学歴を求めている。MARCHおよび成蹊・成城・明学クラスの女性も過半数がMARCH以上の学歴を要求するのだ。

妥協ラインになると、女性もやや現実的になる。理想では44%もの人が国立・早慶上智を選んでいたMARCHの女性も、そこに固執するのは2%未満。ただし、妥協できるのは日東駒専までだ。