新規事業を立ち上げるには何が必要か。ドリームインキュベータ(DI)の三宅孝之社長は「規模の大きなビジネスを立ち上げるには、自社以外の企業や行政機関と連携することが不可欠だ。立場の違う者同士が同じ目的意識を持てるように、業界を俯瞰できるマップスライドを作成することが肝となる」という――。

※本稿は、三宅孝之『「共感」×「深掘り」が最強のビジネススキルである』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

画面から光があふれるパソコン
写真=iStock.com/cherezoff
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新規事業創造の肝は「マップ」作り

マップは、数百億、数千億円規模の新規事業を創造する「ビジネスプロデュース」の肝と言えるものです。ビジネスプロデュースの成否は、このマップの出来で決まると言っても過言ではありません。

私は常々、「1枚1000万円以上の価値のあるマップスライドを作れ」と言っています。逆に言うと、それだけの価値のあるマップが必要で、それがないと大きな構想を作ることはできないということです。

マップが構想となり、構想からビジネスモデルを考え、戦略を立てていきます。ビジネスプロデュースの礎となり、そのテーマの全体像を表現するのが、マップです。

マップには、社会課題を解決するために、関係者全員が認識しておくべき共通の情報を集約します。なので、マップを見た人たち全員が、その社会課題を解決するという目標を共有できます。

ビジネスプロデュースは1社ではできません。社会課題の解決は1人ではできませんし、1社でもできません。自分たちだけでできることは限られており、「他力」が絶対に必要となるのがビジネスプロデュースです。多くの人や企業といった「他力」を借りる必要があります。マップは「他力を借りるために作る」と言うこともできます。

こうしたことから、マップの質をいかに高めるかが、ビジネスプロデューサーの当初の最大の注力ポイントになります。