イライラは筋肉痛だと思え!

そして、私がアホに対して最も強力な武器となると思っているのが「忍耐力」です。アホはあなたが怒ったり悲しんだりする姿を見るために絡んできます。そのため、忍耐力をもってアホの挑発に乗らないように努め、まったくこたえていない姿をアホに見せるのがベスト。アホはあなたをいたぶりがいのない人間だと判断し、あなたから離れていきます。

忍耐力は「我慢をすること」で身に付きます。筋トレと同じように、やればやるほど大きく育っていくものです。無駄にあなたに絡んできたり、当たり散らしてくるアホに苛立つこともあるでしょうが、それは筋肉痛のようなもの。あなたは我慢するたびに忍耐力が成長しているのですから、「成長する機会を与えてくれてありがとう」とアホに感謝しましょう。

逆に忍耐力がないと、アホに対して余計な発言や行動をとってしまいます。あなたが怒ったり悲しんだりする姿はアホにとって大好物ですから、アホはますますあなたに絡んでくることになり、貴重な時間やエネルギーを無駄に使ってしまうばかりか、自分自身もアホになってしまうおそれがあります。私が忍耐力を重視している理由は、自分自身が忍耐力を失ってアホになってしまった経験を持っているからです。

私は30代の頃に政界入りをしましたが、政治で世の中を変えるためには時間をかけ、多くのハードルを乗り越える必要があることを理解できていませんでした。私は目に見える結果が出ない焦りから「このままじゃ何も変わりませんよ」と、努力している先輩議員の方を評論家のように批判してしまったのです。これは結果が出ないイライラを他人のせいにする「イライラ型アホ」そのものです。この行動のおかげで私のまわりから人は離れていき、自分が目標としていた政策の実現は遠くなってしまいました。支援してくれていた人たちの気持ちも裏切ることになってしまい、とても後悔しました。

それでも私がいまこうして復活できたのは、感情を爆発させたのが30代という、再スタートが許される年齢だったからです。まだやり直しがきく年齢であれば、私のように一度体で忍耐力を失うことの恐ろしさを覚えてもいいかもしれません。ですが高齢になってから感情を爆発させてしまった場合、取り返しがつかなくなるリスクのほうが大きいでしょう。ある程度年齢を重ねた方こそ、冷静になって忍耐力を養ってください。

また、現在はスマートフォンやSNSの普及によって炎上した際のリスクが最高に高まっている時代です。自分では「ちょっとキレた」程度だと思っていても、その代償が考えられないほど大きくなることも十分にありえます。炎上のリスクが高まっている現代だからこそ、忍耐力をつける重要性も上がっているといえるでしょう。