「コレステロール値が高いほうが長生き」の可能性も

コレステロールが悪者として見られがちなのは、動脈硬化を促進し、心筋梗塞のリスクになると喧伝けんでんされてきたからです。

ですが、そもそも「本当にコレステロールが体に悪いのか」は、実はよくわかっていないのです。

免疫学者には「コレステロール値が高いほうが長生きできる」と考える人が少なくありません。というのも、コレステロールは細胞膜を構成する重要な物質であり、免疫細胞にも欠かせないためです。

たくさんの免疫細胞がつくられ、しっかりと働いて免疫機能が活性化することで感染症にもかかりにくくなるし、ガン化する細胞も排除されるのです。

日本人に必要なのは心筋梗塞よりガン予防

日本は「心筋梗塞よりもガンで死亡する国」です。毎年、心筋梗塞のおよそ1.8倍の人がガンで亡くなっているのです。

日本人に必要なのは心筋梗塞よりガン予防(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/PeopleImages
日本人に必要なのは心筋梗塞よりガン予防(※写真はイメージです)

一方、心筋梗塞が国民病と言われ、死因トップになっているのがアメリカです。それゆえ、アメリカ人はメタボリック・シンドロームに注意する必要がたしかにあります。

しかし日本は違います。日本には、欧米のように極端に肥満の人はほとんどいないし、「太りすぎて歩けなくなった」「手術して胃を小さくした」といった人は極端に少ないのです。

こうした疾病構造の違いも考えると、「心筋梗塞で死ぬ国はコレステロール値を低めにしておいたほうがいい」「ガンで死ぬ国はコレステロール値をむしろ高めにしておいたほうがいい」とも言えます。

アメリカ人の1日当たりの肉の摂取量は約300g。これほど多ければ、肉を食べる量を減らし、肥満や動脈硬化を抑えて心筋梗塞を減らそうとするのは合理的です。

これに対して、日本人の1日当たりの肉の摂取量は約100g程度にすぎません。

もともと少ないのにさらに減らしてしまうと、高齢者にとって大事な栄養素であるたんぱく質は足りなくなるし、免疫細胞の材料となるコレステロールも不足する可能性が高くなります。