コンサルティング機能を「別会社」として立ち上げた

今、世の中がどんどん変わり、多様性も拡大している中で、お客様自身も何をすべきかわかっていない時代になったわけです。

そういう中で、お客様の悩みや社会の課題に真正面からリーチできる機能が富士通グループの中にも必要だと考えました。お客様とのコミュニケーションの中から問題を抽出して、自ら解決策を提案して実装し、そこからまた新しいフィードバックをもらって改善していく。そんなコミュニケーションをベースにした社会課題解決型のコンサルティングを、富士通でやりたいと思っていました。

しかし、富士通の長い歴史の中で沈殿してきた仕事のやり方やカルチャーをすべて払拭するのは難しい。これまでも、いろいろな先輩方がチャレンジしてきたものの、なかなか形にしきれませんでした。

そこで、新しい会社を富士通とは全く違うブランドで、できるだけ富士通という“しがらみ”がない形で事業をやらせてみたいと思って設立したのがリッジラインズなのです。

日本企業型ビジネスモデルでは「変化」に対応できない

【今井俊哉・Ridgelinez社長(以下、今井)】課題解決というのは初めから正解があるわけではなく、お客様と一緒に「探しにいく」ものです。

リッジラインズが提供しているコンサルティング・ビジネスでは、その探しにいくプロセスに価値を感じてもらい、そこに対価を支払っていただいております。我々は個々のビジネスモデルの特徴を理解しておくことが重要な気がしています。

一番わかりやすいものはハードウェア・ビジネスかと思いますが、ハードウェアという商品を買う場合には、その性能なりデザインなりの価値が購買時に見えていて、その後は減価償却によって、だんだんと価値が下がっていくことになります。

一方で、GAFAMと呼ばれる米国のプラットフォーム企業は、サービス提供によって実現される「付加価値」を軸にしてビジネスをしています。GAFAMは日本企業と何が違うのかと考えたときに、「働いている人たち一人ひとりが個体として強く、それぞれがいろいろな意見を言い合い、ぶつけ合いながら一緒になって新しい価値をつくっていこうとしている姿勢」だと思うに至りました。