2012年8月14日(火)

有能な秘書が見抜く「信用してはいけない人」の特徴

PRESIDENT 2012年7月16日号

著者
松下 信武 まつした・のぶたけ
ゾム代表取締役

1944年、大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。日本電産サンキョー・スケート部メンタルコーチ。日本オリンピック委員会強化スタッフ。専門は情動心理学。得意分野はエグゼクティブコーチングとアスリートのメンタルコーチングなど。著書は『「凡人が一流になる「ねたみ力」』『メンタリング・ハンドブック』(共著)ほか。

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ゾム代表取締役 松下信武=文
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一流の秘書は、自分のボスに会わせるべき人、会わせないほうがいい人を的確に見分ける鑑識眼を持っている。服装や話し方、発言の妥当性、仕事ぶり……。ボスをトラブルから守るために秘書たちが蓄積してきたテクニックとは?

目の前の人が怪しいと見抜くプロのノウハウ

これまでの人生で、一度も人にだまされることなく、一人前のビジネスパーソンに成長した人は少ないだろう。だまされれば、たいていは大金を失うことになる。下手をすれば周囲から同類だと疑いの目で見られる。だから、できるだけ早い機会に、できれば初対面で、目の前にいる人が信用できるか、信用できないかを見分けたいと思うのは当然である。

自分のボスに、信用できない人を会わせたら、たちまちにして、プロではないと評価される人たちがいる。企業トップや政治家の秘書である。彼らは信用できない人を見分けるノウハウを持っているに違いない。そこで、元外資系エグゼクティブの秘書で、信頼されるビジネスマンになる方法についての著書(注1)をもつ能町光香さん、秘書セミナー講師なども務める「カレーハウスCoCo壱番屋」の中村由美さんをはじめとして、国会議員秘書、上場企業の役員秘書などに取材をした。予想通り、彼ら(彼女たち)はどっさりノウハウを持っていた。彼らのノウハウはおおよそ3つに分けられる。

(1)企業トップや政治家に面談を求めてきた人について事前調査をする。
(2)電話の音声、服装、態度、名刺など、外見的な特徴から判断する。
(3)社会的コンテクスト(文脈・状況)から判断する。

(1)に関しては、中小企業の秘書であればインターネットで、大企業の場合は外部の調査会社や、社内の関連部署から情報を集める。この方法は、今回の記事の対象からはずした。普通のビジネスパーソンは外部の調査会社を使うことはできないし、インターネットでは参考になる情報が見つからないケースも多い。しかも、事前調査は、網で言えば目の粗い網。本物のペテン師はこの程度の網はかいくぐってくる。

(2)と(3)について、詳しくみてみよう。(2)の外面的な特徴に関して、プロの秘書たちは、次のような点に注意して信用できない人を見分けている。

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