住民サービスが国民負担に見合っていない

しかし、これは大きな間違いで、日本は「五公五民」よりひどい重税国家なのである。

なぜなら、国民負担率がいくら高かろうと、それに見合った住民サービスがあれば、重税であっても重税感はなくなる。つまり、社会保障が充実した高福祉国家なら、一概に重税国家とは言えない。その意味で、北欧の国々、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなどは、重税国家ではあっても国民の不満は少ない。

たとえば、北欧諸国では教育は大学まで無償である。ところが、日本では、国立大学ですら高額の入学金と授業料を取る。あまつさえ、学生ローンまで組ませて学費を先払いさせている。教育無償化は議論されているだけで実現していない。これで47.5%は、やはり高いと言わざるをえない。

さらに、もっとカラクリがある。国民負担率というのは日本独特のもので、諸外国はGDP比で負担率を出している。ところが、日本は間接税を省いた国民所得比で算出している。つまり、間接税率の高い欧州諸国は、国民負担率が日本より高めに出てしまうのである。

国の借金を加えると、「六公四民」に

さらにもう一つ、カラクリと言うか、当然と言うか、本当の国民負担率は、国の借金(財政赤字)も加えて計算しなければならない。なぜなら、国の借金である国債は、将来の税金で償還されるべきものだからだ。それで、財政赤字を加えて算出した国民負担率を「潜在的国民負担率」としている。

さきほど紹介した図表1には、各国の潜在的国民負担率が示されているが、それで見ると日本はスウェーデンより高い。財務省の発表には2023年度の国民負担率の見通しがあり、それによると、2022年度から0.7ポイント下がって46.8%となるが、潜在的国民負担率はなんと3.7ポイント上がって61.1%である。

日本は、世界でも類を見ない「高負担低福祉国家」なのである。

しかも、国債発行には際限がなく、財政赤字は拡大する一方になっている。このまま行くと、さらに潜在的国民負担率は上がる。それにしても、本来GDP比でいいものをそうせず、GDP比にしたものにはわざわざ「潜在的」という名目をつけている。これはゴマカシではないだろうか?

日本経済が長期低迷を続けている一つの原因に、この国民負担率の高さがある。国民負担率が1%上昇すれば、成長率が0.3%低下するという調査研究レポートがある。

すでに潜在的国民負担率は「六公四民」になっている。所得の6割も国に取られてしまうのだから、若者は結婚できるわけがないし、まして少子化など改善できるわけがない。