売れる商品名とは何か。起業家の神山理子さんは「私は男性向けグッズの『育てるオナホ』というコンセプトを表現する際に、『淫乱覚醒』という商品名にした。既存の競合商品名の多くがカタカナの中『違うパターン』にすることでインパクトが出る」という――。

※本稿は、神山理子『女子大生、オナホを売る。』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

いきなり!ステーキ銀座四丁目店
いきなり!ステーキ銀座四丁目店(写真=多摩に暇人/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

「まさにこんな商品が欲しかった」と言わせる方法

インタビューをするうちに様々なインサイトを見つけるでしょう。

その中から「まだ解決されていない重大な悩み」を選び、未解決かつ深刻度の高い順番にインサイトを検討して、その解決策(コンセプト)が提供できないかを考えます。

「自分にぴったりのオナホの選び方がわからない」
「洗って繰り返し長く使えることを期待していたのに、使っているうちにすぐ壊れてしまってコスパの悪さを感じる」
「オナホユーザー界隈では、使用を繰り返すと素材が劣化して気持ち良くなる“覚醒”という伝説現象がある」(これは調べてみると、ある特殊な素材が混ざっているオナホールに起こる現象でした)

などの情報をヒントに、こんなオナホを作ったら、割とヒットしました。

通称「育てるオナホ」。

「使えば使うほど、素材が形状変化して自分のチンチンに馴染む育成型オナホール」というコンセプトの中に、「どんな人でも、まずこのオナホールを買えば間違いないということ」、「育てる前提のため、長く使えること」を暗に意味しているため、これらの悩みを抱えている人に刺さるという設計にしました。

当初は、「パーソナライズオナホ」として、ZOZOスーツのチンチン版のようなものを考えていましたが、自分のチンチンのデータを企業に送るなんて、ターゲット顧客は抵抗あるだろうなと思ったので、こちらの「育てるオナホ」にしました。

商品をリリースしたとき、SNSで「そう、まさにこんな商品が欲しかった!」という言葉をいただきました。

この「そう、まさにこんな商品が欲しかった!」がコンセプト大勝利の証になると思っています。