放牧型へ転換しなければ、日本の酪農は生き残れない

アメリカ農務省主催のフォーラムで、NASA(航空宇宙局)地球科学課長は、衛星による地球の水循環の分析から、乾燥地帯はより乾燥し、湿った地域はより湿潤になるとし、気候変動がさらに厳しいものになると予測した。続けて、アメリカで最も土地が肥沃な中西部のコーンベルトで、トウモロコシの収量が低下し小麦の収量が増加すると報告した。つまりコーンベルトが小麦地帯になるというのだ。

これは、コーンベルトの農家にとって、かなりのショックだったようだ。小麦ではなくトウモロコシを生産してきたのは、トウモロコシの方が高い収益を上げられるからだ。現在アメリカで小麦を作っているのは、肥沃ひよく度の劣る西部地域である。コーンベルトが小麦地帯になることは、農家所得が減少することを意味する。

他方で、日本の酪農・畜産はアメリカ産トウモロコシをエサにしている。アメリカでトウモロコシ生産が減少し、その価格が上昇していくと、日本の酪農・畜産はいずれ壊滅的な打撃を受ける。現在のトウモロコシ価格上昇は、その序曲に過ぎない。

日本の酪農が生き残ろうとするなら、山地酪農など放牧型へ転換すべきである。現在農林水産省や農林族議員が行っている飼料価格の補塡は、死期が近い患者への延命治療に過ぎない。

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