事前のアンケートでは、娘さんとの会話の糸口をつくろうとして、AKBを一生懸命勉強しているお父さんもいたが、

「たとえ娘さんがAKBのファンだったとしても、その話をお父さんとしたがってはいないと思いますよ。予習なんてしたら、エロい、キモいと思われてしまうのではないでしょうか。子供の機嫌をとるかのように話題を用意するということ自体、間違っています。娘さんが思春期ならば、無理にコミュニケーションなんかとらなくていいんです。日常生活の中でのこまごまとした心配事や注意は、奥さんに任せる。これは、責任を放棄するというわけじゃありませんよ。同性の親が言ったほうがいいこともあるということです。もちろん、外泊をしただとか、携帯の料金が異常に高いだとか、本当に人間として間違っているというようなことについては、父親としてしっかりと言わなければならないでしょう。そういう、ここぞというときに出てくれば、それで十分なんです」

ガツンとやるべきときにやるのが、父親の役割だと。

「いやいや、ガツンはだめですよ。思春期の娘さんは一人の人間として認めてほしいんです。大声で怒鳴られたって意に介しません。反対に『おまえももう大人だからわかるだろうけれど』と言われれば、自分が一人前扱いされたとわかり、聞く気にもなるのです。それから、念のために付け加えれば、体罰は厳禁ですからね。痛みでしつけをするのは、相手を子供扱いするどころか、動物扱いしていることと同じです。ドラマの中で、父親にほおを張られた娘が、自分が悪かったことに気付く、といったシーンがたまにありますが、あんなことは絶対にありません。体罰を受けた瞬間に『この家は自分がいるべきところじゃない』と感じて、娘さんは出ていってしまいますよ」

表面的な熱血パパじゃだめってことか。ある意味、仕事上の大人の付き合いくらいのスタンスで話さないといけないのかもしれない。